To love is to suffer (ページ4)

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智くんの視線と言葉に耐えられず、思わず笑いとあんなに我慢していた返事をしてしまった。

目を開けてみると、肩肘をついて頭を支えながらこちらを見ていると智くんと目が合ってしまう。

『ほら、疲れてて眠いでしょ？』

「たしかに疲れてる…」

『目を閉じたらさっきまで眠かったの思い出せるから、ほら目閉じて。』

「 …なんで寝かせようとするんだよ。」

拗ねたようにまだこっちを見て来てる。

2週間会ってなかったもんね。次いつ会えるか分からないし、わたしもしたくない訳じゃないけど…

『ドラマの後半になると、疲れが溜まって食べなくなって、智くんは痩せるでしょ？

撮影中は寝れる時に寝とこう？』

智くんはしばらくジーと考えるようにこっちを見ている。

「…やっぱ眠くなってきた。

ちゃんと7時に起こして。」

『うん、7時に起こすね。おやすみ』

智くんの声音にはちょっと不満そうな色が滲んでいたけど、目を閉じて寝る事に同意してくれみたい。

6:45
ppppppppp

アラームを止めて、時間を確認する。

今のアラームで智くんを起こしちゃったのではないかとちょっと心配したけど、予想通りそんな心配は要らなかった。

さすが寝起きが悪いと言い切るだけあるね

起こさないように、ゆっくりとベッドを出てリビングに行く。

コーヒーメーカーのスイッチを入れると、ゴゴゴゴとを抽出する音がして、しばらくするとコーヒーの良い香りがリビングに行き渡る。

今日も寝起き悪いんだろうなぁ

コーヒーをカップに注いでから、寝室に戻る。

『智くん、おはよう。智くんおはよう』

声を大きくして繰り返してみるけど、起きる気配はない。

ベッドに浅く腰掛けて、肩を揺すってみる。

『7時だよ。起きないと間に合わないよ。起きて～』

「う…ん。起きるよ。」

『目開けてね？ふふっ、本当に起きてる？』

5分ぐらい声を掛け続けるとやっと目を開けてこっちを見た。

『おはよう？』

「…はよ。今何時？」

『7時6分だよ。一旦家に帰るでしょ？』

寝起きは返事をするのも億劫なのか、軽く首を縦に振って返事をするのはいつものことだ。

放っておくともう一度眠りかねない智くんの手を引いて、リビングに向かう。

わたしはそのままコーヒーの続きを飲んで、彼は歯磨きと顔を洗うために洗面台へ。

『あっ、寝癖付いてる。』

わたしの呟きは彼には聞こえてないようだ。