To love is to suffer (ページ23)

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『待ってるけど、もうすぐにでも寝そうだよ？』

話してる相手が智くんだと気付いたのか、わたしのパジャマの裾を引っ張りながら「パパ？パパ―？」とあきが僕に電話代わってくれ！アピールをしている

「悪いけど、もう切るよ？」

『うん、頑張ってね』

ここであきくんに電話を替わると「いつ帰って来るのー？」が始まるから、可哀想だけど、ここは替わらずに通話を終えてしまう

ちょっと智くんは名残惜しそうだったけど

「！！」

電話を切った事が分かるようにスマホを見せると、びっくりしたように目をまん丸にして驚いている

「……」

スマホを見て呆然としている

『あきくん？パパ帰って来るの遅くなるんだって、だからママと寝んねしてようね』

「……パパ」

『今日は大晦日だから、ママとお蕎麦食べて寝よっか？』

「ちゅるちゅる？」

『うん、年越し蕎麦って言うんだよ？

今からママが茹でるからねー』

「ちゅるちゅる♫、ちゅるちゅる～♪」

いつもはこの時間だと寝てるし、こんな時間に何かを食べるなんてあり得ないから、「いつもと違う」て事が嬉しいのか、あきはテンション高い

『熱いから気を付けてね』

「あっちゅい、あっちゅい」

小さなお椀に入れたお蕎麦をフォークですくってる、あきくん

『ふーふーした方が良いよ』

「……」

そのフォークに引っ掛かっているお蕎麦にフーフーしてくれるのかと思いきや、フォークをこっちにグイッと向ける

「ん！…ん！」

『ママがやるの？』

「あい！」

智くんにそっくりの顔で言われると、自分でやりなさいって断れないんだよね

『はい、ふーふー』

「ママ、あーとぅ(ありがとう)」

『どういたしまして、召し上がれ』

お蕎麦を食べ終える頃にフォークを持ったままカクンコクンとあきが舟を漕ぎ始めた

フォークを離さない辺りが意地らしくって可愛い

ゆっくりとその手からフォークを取ってベビーチェアから抱き上げる

『起きた頃にはパパがいるかなぁ』

そのまま子ども部屋に連れて行こうと思ったけど、今日は大晦日だし、久しぶりに一緒に寝ようと夫婦の寝室でベッドに寝かせた

一旦、リビングに戻って食べた後の片付けをしてテレビと灯りを消しておく

きっと智くんはカウコンに出るって事はその後、ジャニーズのみんなと初詣とか食事に行ったりするだろうから、帰って来るの早朝だろうしね