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『ただいま〜』


真っ暗な我が家は、誰が返事をしてくれる訳でもないけど、やっぱり安心する。


明かりを点けて、リビングのソファーに座った瞬間だった。


ピンポーン


モニターで確認すると、映っているには黒いニット帽を目深に被って、白いマスクをした男性


『はーい、今開けるね。』

オートロックを解除して、しばらく待っていると今度は玄関のチャイムが鳴る。


『いらっしゃい』

「ちゃんと誰か確認して開けた?」

『このマンション、そんなに簡単に知らない人は入って来れないよ?』

「誰か確認してから開けろって。こないだも言ったじゃん、俺。」


扉を開けた瞬間から、お説教モードの智くん…


スルーしてリビングに戻ろうかなという考えが頭を過ぎる


「聞いてんの、怜理?」

『聞いてるよ。ごめんね?』


『気をつけろよ。』


ここで露骨に嫌そうな顔をすると、智くんの心配性を煽っちゃうから、素直に謝っておく。


『夕ご飯食べた? 何か飲む?』

「現場でお弁当食べたから大丈夫。アルコール以外なら何でもいいよ。」


『明日 早いの?』

「うん。8時に現場入り…。」


少し眠そうに返事をする智くんに、ちゃんと眠れているんだろうかと不安になる。

ソファにもたれかかったまま 今にも眠ってしまいそうだ。


2人分のお茶をコップに注いでソファに戻ると、智くんの伏せられていた目蓋がゆっくり開いた。


「久しぶりだね。なんか、久しぶりに怜理の顔見た気がする。」

『2週間振りぐらいじゃない? 久しぶりっていう程 経ってないよ。 コードブルー 見てるよ、面白い。』

ソファに並んで座って、智くんの手がゆっくりと わたしの手に重なる。


「現場はさ、楽しいんだけど。すっげぇ疲れるよ。」

『そうなの? どうして?』


「ヘリ乗るシーンとかさ、ヘリポートまで走って行くんだけど、カメラとタイミング合わないと何回も撮り直すからさ。 運動部並に走ってるよ 俺」

『そっか。それは疲れるね。』


ゆっくりしたトーンで撮影現場の話をしてくれる。

智くんは 手持ち無沙汰なのか、眠気と戦っているのか、繋いだ手の親指で わたしの手をゆっくりと撫でていた。


そんな些細な仕草にも 智くんの愛を感じてしまう わたしは末期なのかな?
それとも あなたの愛にとことん溺れている証拠だろうか?

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設定タグ:山下智久 , 恋人 , 夫婦   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:water lily | 作成日時:2017年11月12日 23時

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