How to save a life 2 (ページ27)

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ー翔洋大学附属北部病院 ICU ー

加賀美「しばらくはバイタルに注意して。30分後に採血して Hb10以下だったら俺に連絡して。」

Ns「分かりました」

時計をチラっと見ると、時刻は既に17時を回っていた。

日勤が終わる時間だ

そう思うと一気に脱力感が襲って来て、その場にあったイスに思わず座り込んでしまう。

『…やっぱ…いったい…』

座ると同時にお腹の痛みも戻って来て、顔をしかめる。

加賀美「おい、大丈夫か？おい！」

様子がおかしいと思った加賀美が声を掛けて来るけど、返事ができるような状況じゃない。

右手を上げて大丈夫を示そうとするけど、大丈夫じゃなさそう…

緋山「鬼頭？ちょっとどうしたの？」

タイミングよくICUに入って来たのは、救命のスクラブを着た緋山だった。

素早くわたしの前にしゃがみこんで手首で脈を取る。

緋山「ちょっと早いね。お腹痛い？」

『…痛いっていうか、何か引っ張られてる感じ？』

何とかお腹の状況を説明すると緋山の目が産婦人科のものに変わる。

緋山「…それお腹張ってるっていうの！いつから？」

緋山に聞かれて、壁に掛けてある時計を見る

『…13時ぐらい？』

緋山「ばか！何でもっと早く言わないのよ！」

『オペ入る前に一瞬痛くなって…でも持続しないから大丈夫かなって』

緋山「産科医じゃないんだから勝手に判断しない！誰か車椅子持って来て！」

近くにいた看護師に声を掛けて、慌てて車椅子を取りに行ってくれる。

『うそ？大丈夫だよ、歩けるから！』

緋山「黙って言う事聞く！！」

『……はい』

緋山「あっ、もしもし藍沢？
あんたの奥さんが子宮張ってるから、今から診察室でエコーする。手が空いてたら来て。
っていうか、手が空いてなくても来て！」

胸ポケットからPHSを取り出して、すごい剣幕で藍沢を呼びつけている。

なんか…ごめん…耕作…

悪い事してないと分かってても何故か謝ってしまう

Ns「お待たせしました、車椅子です！」

緋山「ゆっくりで良いから、車椅子に移って」

『…はい。』

車椅子に座って緋山が押してくれる。

ゆっくりと動き出す車椅子に座って上を見上げる。

真っ白な天井

初めて患者さんになったけど、天井ってこんな感じなんだぁ…