How to save a life 2 (ページ13)

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白石「そんなに気になる？」

横峯の熱の篭りように、不思議になった白石が問う。

横峯「優秀な人は最初から優秀なのか気になりません？」

藍沢「最初から優秀な奴なんていない。」

藍沢の反論に一瞬ムッと膨れるが、すぐに表情を作り直して横峯が続ける。

横峯「それに！言ってたんですよ、新海先生が。鬼頭を心臓外科医にしたのは、俺だって！」

白石・緋山「そうなの？」

横峯の発言に白石・緋山まで藍沢を凝視する。

藍沢「何度も言わせるな、俺は知らない。」

橘「俺が心臓外科医にした…か。上手い事言うなぁ、新海のやつも。」

緋山「何かご存知なんですか？」

橘「うん？まぁ言うなれば、鬼頭が心臓外科に行ったキッカケは、食堂ビンタ事件だろうな。」

緋山・横峯「食堂ビンタ事件？」

ー翔陽大学附属北部病院職員食堂ー

新海「おつかれ、外来？」

『おつかれ。そう、さっき外来が終わったの。そっちは？』

トレイを持って席を探して歩いていると新海に声を掛けられた。

新海「藍沢は午後出勤なんだろ？救命にコンサルで呼ばれてた。」

向かい合わせの席に座って昼食を摂り始める。

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緋山「ねぇ、食堂ビンタ事件て何よ？」

新海と特に会話をする事もなく食事を進めていると、救命の緋山・白石とフェロー3人がやってきた。

『何そのネーミングセンスの無い事件名。』

聞いた事もない事件に緋山がどうしてわたしに聞いて来るのかも分からない。

ただ何となく橘先生が面白がって付けそうな名前だなと頭の片隅で思ったくらい

横峯「鬼頭先生はどうして心臓外科を選んだんですか？」

数える程しか会話をした事のない救命にフェローに聞かれて、顔を彼女に向けると食事はそっちのけで

教えて！と言わんばかりの笑顔で見つめられている事に気付いた。

前に耕作が「横峯は笑っていればやり過ごせると思ってるタイプ」と評してるのを聞いてたけど、なんていうか…その評価に納得してしまう。

『なんで心臓外科…選んだのか？』

だいぶ昔の話だなぁと思い、不意に目の前の新海の顔を見ると、食堂ビンタ事件と新海が繋がった。

『きっかけは食堂ビンタ事件かな？』

新海「百合！余計な事言うな！」

わたしが笑いを堪えていると、この話が始まってから、ずっと沈黙していた新海が声を出した。

白石・藤川「百合？」

新海「あっ、いや…」