【イナイレ】鷹のツバサー番外編ー (ページ9)

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とある日のバレンタイン ③ ページ9

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紅茶を飲みながらゆっくりしていると、夏未がソワソワとしては“あのっ”と声を出す。

「これ……二人の分なんだけど受け取ってくれる？」

突然、恥ずかしそうに夏未が手渡してきたのはラッピングされたクッキー。Aと秋は顔を見合わせては目を見開いて驚く。

「あ、味は保証するわ！パパにも味見してもらったし…み、見た目は少し不格好だけど良かったら……」

『え、本当に貰っていいの？嬉しすぎて涙が出そう、今なら空も飛べる気がする』

「飛べないから落ち着いて？ありがとう、夏未さん！とっても嬉しいわ」

『うん、嬉しい感激。ありがとう夏未』

「！えぇ！！こちらこそ、今日はありがとう」

Aと秋は夏未からのバレンタインデーのクッキーを受け取り、嬉しそうにクッキーを見たあと顔を見合わせると笑う。

そしてホワイトデーにお礼をすると伝え、再び談笑を楽しむ。

「そういえば、2人も作ってたけど誰に渡すの？」

「私は友達に。Aちゃんは？」

『蘭丸と…せっかく作ったから豪炎寺に』

「「へーえ〜？」」

『なにその顔！？やめてっ、ニヤニヤしないでっ！』

「別にしてないわよ〜」

「してない、してない。微笑ましいな〜って」

「「ね〜？」」

Aは二人からニヤニヤとされ、熱が顔に集まり気まづそうに顔を逸らした。

そうして翌日、Aは豪炎寺に渡しに届け、そのまま二人で並んで歩く帰り道。

『それでさ、夏未が…わｯ』

「あれって雷門じゃないか？」

Aの手を引いて、肩を寄せた豪炎寺は横断歩道の奥を見ており、Aもまたその視線の先を振り返る。

そこに、夏未の姿を見つけると何故かAも緊張してくる。だが気になる、誰に渡しているのかが。結局聞くのを忘れていたのだ。

じっと夏未の奥を見た後、その人物を見てはAと豪炎寺は顔を見合わせ、再び振り返り綺麗に2度見をすれば、嬉しそうにAは微笑んだ。

あぁ、幸せになって欲しいと、心の底から。

そしてどうか彼女の恋が実りますようにと。