【イナイレ】鷹のツバサー番外編ー (ページ7)

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とある日のバレンタインページ7

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「『チョコレート？』」

見事に声を揃えたAと木野秋は目を見開いては相談主である雷門夏未を見た。
彼女は少しだけ恥ずかしそうに耳を赤く染めては小さく頷く。

Aがなんでチョコ？と首を傾げる横で秋は手を叩き目キラキラと輝かせた。

「もしかしてバレンタインだから？」

『あぁ、そう言えばもうその時期か』

バレンタインデー。近頃、駅前のデパートやコンビニ等に行けば必ずそのコーナーが設けられ、学校内でも同級生達が話題にしていたなとAは思い出す。

それにしても今までそんな事を相談してきたことの無い夏未がどうしてと気にするAの隣で秋は楽しそうに夏未に話しかけていた。

「夏未さんが話したかったのって手作りの相談？」

「！そ、そ」

『えっまさかだけど誰かにあげるの！？私は！？』

夏未の返答を聞く前にAが向かい合って座るテーブルから半分体を乗り出し、目をうるませる。夏未からバレンタインとしてお菓子は頂いたことはある、だが手作りはない。こんなにも長い付き合いなのに。

誰だ自分よりも先に手作りを貰う奴は。貰えるその人物が羨ましい、いや妬ましい誰なんだと気にしては今にも荒ぶり始めそうなAの口元を秋は両手で抑える。

「と、とりあえず何を作りたいとか決まってるの？」

「あ、え、えぇ！始めてだから難し過ぎるのも大変かと思って目星はつけてたの。コレなんだけど」

夏未が見せてきた画面には《初心者でも簡単☆本命に渡す生チョコ》と書かれていた。そこで二人にはAの心が砕け散る音が聞こえた気がした。

嬉しい様な悲しい様な気持ちになり、どうしようもできないAはガックリと項垂れた。
だが、ここで親友の恋愛を応援してあげるのが良き親友では無いのかと自問自答をしては顔を上げる。

そして何よりも心配するべき事があるのを思い出していた。

『私応援する、絶対実るように手伝う』

「！私にも手伝わせて！絶対に美味しいの作りましょ！」

「A…秋さん…ありがとう！」

嬉しいと顔をほころばせて喜ぶ夏未。そして秋とAはそんな夏未の姿を見ては微笑み、顔を見合せては小さく頷いた。

貰うであろう相手の為に未然に防ぐ計画を立てねば、と。