とある日の放課後 ー �� ページ6
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『ごめんっ、ちゃんと見れてなかった』
両手を合わせて謝るAに豪炎寺は笑って大丈夫だと返した。
確認したメールには確かに連絡が入っており、もっと確認するべきだったと後悔しては、申し訳なさそうにAは眉を下げる。そんな彼女を見て豪炎寺はくすくすと笑う。
「あんまり気にしないでくれ。それに、今日の練習が早くに終わったから向かった方が早く会えると思ってな。でも、急に悪かった」
『いや、早く会えたのは事実だし、来てくれたの嬉しかったから謝らないでよ』
手を横にブンブンと振るAに豪炎寺も頷いてはこの話は終わる。
気を取り直し、二人は並んで歩きながら最近の話をする。お互い通う学校が違う為、あまり会える時間も無いが予定を合わせてこうして放課後や休みの日は過ごしていた。
「そういえばこの前、円堂達と会ったぞ」
『そうなの？元気そうだった？』
「あぁ、相変わらずな」
クスクスと笑う豪炎寺の横顔を見てはAも嬉しそうに笑う。話を聞けば彼も変わらずサッカーを続けている様で。
今度練習試合があるんだと楽しそうに話す豪炎寺の顔を見てAもにっこりと微笑んだ。
『じゃあその練習試合の日、予定が空いてたら観に行くね』
「それなら尚更勝たないとな。Aの方は試合とかないのか？」
『……あるっちゃあるけど、来ない方良いかと』
先程の囲まれ方を思い出してはAは少しだけ眉をひそめて言う。また囲まれでもしたらとんでもない事になりそうな予感もするのだ。
だがそんな事に気づいてない彼は不思議そうな顔をして首を傾げるとどうしてだと聞き、Aはそれに少しだけ呆れた顔をして返す。
『女子に囲まれて質問攻めにされて、試合観るどころじゃなくなるからだよ』
「お前……そんなに俺の事好きなのか？」
『違っう！！そうじゃない！』
ガバッと顔を上げてAは豪炎寺を恨めしそうに睨む。だが豪炎寺には顔を赤く染めて照れるAが可愛く見えており効果は無い。そして笑いだす。
「あはは、冗談だ。なら、俺1人では行かないで円堂達も誘ってみるよ」
『っ〜…もう、好きにしなよ』
手を握る右手にAはわざとぎゅっと力を入れぶっきらぼうにそう言うと、豪炎寺はクスッと笑い静かに手を握り返した。
そして少し寄り道をしては家に帰った。
次の日、Aは学校で質問攻めにあったのはいうまでもないだろう。
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作者名：檸檬堂 | 作成日時：2024年3月4日 10時
