36 ページ37
−
「何なんだっ！！」
そう叫んだ、今にも刀で斬り裂いて私を殺しそうな愛染は三日月に抑えられながらも暴れている。
「俺らに必要以上関わらないって言ったくせに、何の用だっ。どうせ三日月の事も何かで操って」
「落ち着け愛染、操られてなどおらん。ちゃんと周りを見ろ理由などあの人間の隣にいるだろ」
愛染は三日月に言われようやく周りに目を向けた。
私の隣に立つ二振りの存在を気づくとジタバタと暴れていた愛染の動きが、ピタりと止まった。
「……は、はは………何なんだよアンタっ」
そう言った彼の声、肩が微かに震えていた。
普通の人よりも他人の感情に敏感な私は、声のトーンや仕草で大体の相手の感情がいつしか分かるようになっていて、彼が今どの感情なのかすぐに察した。
「なんで鍛刀なんかしたんだよ、なんで二人をここに連れてくるだよ……頼んでもない事するんじゃねぇ！！
それとも自分は良い人です、信じてくださいアピールか？巫山戯んじゃねーよ、誰がお前なんか審神者として認めるかって話だ！！
俺は、絶対にお前ら人間のことを許す気は」
『別に信じて欲しいなんて一言も言ってないです。
確かに、勝手な事をしたのは悪いけど。でも良い人アピールのつもりなんか微塵もない。
そんな事をして私に何のメリットがあるのか逆に教えて頂きたいくらい』
プツンと堪えていた何かが私の中で切れると、彼の話も遮り次々と言葉が出てきた。
『君達が私を信用しないように、私も君たちを信用する気も頼る気もない、何ならこの先もずっと。
ある程度の事はやってあげても、そこに思いやりなんか1つもないから。
私も、君達のことは好きじゃないからお互い仲良くする必要なんかないでしょ』
あ、やばいと思ったのと同時にこれで良かったかなとも思えた。
今はもうこの場から離れる為にも適当に切り上げて終わりにしよう。
『……申し訳ございません、これでは逆ギレですね。生意気なこと言いました。とりあえず、“来派”だということで連れてきただけなのでお好きにどぅぞ。
私はやる事を思い出したのでこれで失礼、さようなら』
三日月にとりあえず頭を下げてその場を早足で去る。
とにかく、こんのすけ、あいつを捕まえなければと。
私は審神者部屋へと向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 583人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こころ - 更新されてる？！有難う御座います…！！！！これからも待ってます！ (2023年1月22日 8時) (
レス) @page28 id: fa05d75225 (このIDを非表示/違反報告)
こころ - 更新まってます…！ (2022年10月29日 10時) (レス) @page25 id: fa05d75225 (このIDを非表示/違反報告)
やよ - 久しぶりに更新されてて飛んだ……らびゅ……← (2021年10月26日 19時) (レス) id: f3622d769a (このIDを非表示/違反報告)
やよ - すっげぇ好き……え、めっちゃ好き……え、えぇ好き……(語彙力)更新まってます！！ (2021年9月17日 15時) (レス) id: f3622d769a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：塩こんぶ | 作成日時：2021年9月12日 3時
