元ブラック本丸の幼女【刀剣乱舞】

096 ページ46

−


一期「なるほど…」

宗三「そういう事でしたか」



堀川が説明をしている間、審神者は骨喰に抱きつくようにして座り背中を向けていた。

骨喰も話を聞いており、審神者の髪に触れると確かにまだ湿っているのが分かる。



堀川「どうやらドライヤーの音が駄目らしくて。だからといって乾かさないでいるのもあまり良くないですし」


歌仙「確かに自然乾燥じゃあ髪の毛も痛み、時間がかかるが……あの子の様子では無理に乾かすのも」


一期「…御褒美を用意するとかいかがでしょうか。
弟達が何か頑張った時にそういった形で何かしてあげてるんです」


加州「確かに。頑張った後にもらえるご褒美があれば、主も頑張ってくれそうな気がする」


堀川「そうですね。兄弟…って、あぁダメだ」




そう言った堀川の視線の先にいたのは布にくるまり、ショックを受けている山姥切。

周りよりやや遅れて広間に来た山姥切は、骨喰に抱かれている審神者に近ずいたのだが全力で拒否されたのだ。


それがかなりこたえたのか「俺が写だからか…そうか、そうだよな」と呟いている声が聞こえる。




太鼓「ありゃ暫く落ち込むぞ」


堀川「あんなに拒絶されたのは久々で…それなりにショックはありますよ。僕も」


加州「俺も今近ずいたら悲しくなるから近ずけない…」



宗三「保護者が何落ち込んでいるのです、と言いたいところですが仕方ないですね。ここは僕達でどうにかするしかないみたいです」


一期「ここは我々にお任せ下さい」



さわやかに告げた一期は、離れた位置で骨喰にくっついている審神者の元に近寄ると少しだけ顔を上げて目を合わせる審神者。




一期「主、嫌かもしれませんが髪の毛を乾かす為に少しだけ頑張りませんか？」


骨喰「……頑張ればご褒美があるみたいだ」


『…ご褒美？』




興味を示した審神者にこれはチャンスだと、頷き合う刀剣達。




宗三「えぇ、頑張った後のご褒美です。堀川や山姥切だけでなく僕やお小夜、兄様達からもご褒美がありますよ」


『…ギューして欲しいとかも、ご褒美？』


一期「主が頑張った後の望みがぎゅーであれば叶えます」


『ばみ兄も叶えてくれる？』


骨喰「喰兄…俺の事か？そうだな、頑張るのなら兄弟もみんな叶えるぞ」




暫く骨喰の肩に顔を埋めた審神者は小さな声で「頑張る」と言い、漸く堀川達の元に。



その後、ドライヤーを頑張った審神者は先程言った通りご褒美を貰った。

097→←095

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す