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広間近くに着くと審神者はじたばたと身動ぎをしたりちょっとだけ抵抗する為、大倶利伽羅はため息を吐き出す。
伽羅「怪我をしてるんだ、大人しくして…」
『や』
伽羅「……」
『やーや』
イヤイヤと首を横に振る審神者。髪を整えていないからか、さらに崩れる髪を見て今度整えてくれそうな奴に頼もうと全く違う事を考える大倶利伽羅。
そしてブスっと頬を膨らませる審神者を見て、表情豊かになったなと感じながらその頬を指先で押してみた。
するとぷすーっと口の中の空気は無くなる。
だが、審神者がまた頬を膨らませるのを見て大倶利伽羅は抱き上げていた審神者を床に降ろす。
伽羅「転ばれたら後から怒られるからな」
『…うん』
手を繋いだままの大倶利伽羅はそう言ってそっぽを向いてしまう。
後ろを歩いていた燭台切と鶴丸を審神者は振り返ってみると二振りはクスクスと笑っていたり微笑みを向けていた。
そして審神者は広間へと着くと、会いたかった刀剣を見つけ手を離して一目散に駆け寄りその背中に飛びついた。
山姥「うぐっ!?」
堀川「兄弟!?」
突然の衝撃に驚く山姥切と苦しそうな声を上げた事に驚いた堀川は後ろを振り向く。
するとそこには会いたくても会えなかった審神者の姿が。
審神者はもそもそと泣きながら山姥切の羽織る布の中に背中から入りそして胡座をかいて座る山姥切正面へ立つとギュッとしがみつくように抱きついた。
山姥「もう大丈夫なのかっ?苦し……主?」
堀川「主さん…?」
ギュッと抱きつく審神者に二振りは首を傾げる。
するとドタドタと迫ってくる足音に大倶利伽羅や堀川達は反応して振り返る。
そして大倶利伽羅の目に飛び込んできたのは短刀達の集団と太鼓鐘に首根っこを捕まれてぶら下がるこんのすけだった。
太鼓「みっちゃんっ!伽羅!鶴!」
燭台「貞ちゃん!?」
太鼓「主いるか!?」
伽羅「……貞、あいつに何があった?」
燭台「そうそう、僕もそれが聞きたくて」
大倶利伽羅達が見守る先には泣きながら謝る審神者の姿と、そんな姿に戸惑う二振り。
太鼓鐘は「遅かったかぁ〜」と呟き、薬研達も「あぁ……」と気の抜けた声を発している為、更に疑問が深まっていく大倶利伽羅達。
こんのすけはじたばたと「もひゅーっ!」と変な声をあげて暴れ、解放されると事の経緯の説明を大まかにまとめて説明した。
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夢小説大好き - 泣きました。画面の前では大号泣です…ズビッ 小さな審神者ちゃんよ‟か‟っ‟た‟ねぇ‟!!素敵な作品ですね!更新頑張ってください!! (2021年11月22日 18時) (レス) @page32 id: 92d4b2d08c (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 続編、待ってます! (2021年11月11日 6時) (レス) @page32 id: 28b6274f8d (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです!続きを待ってます!(*´ω`*) (2021年10月2日 1時) (レス) @page32 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年9月2日 2時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
?シアン?(プロフ) - 蘭奈(らな)さん» いつもコメントありがとうございます! ほんとに更新のペースが遅くなったりなどして、迷惑をかけてしまいますが、どうかこれからも温かい目で見守っていただけたら幸いです!ほんとにありがとうございます、そしてこれからもよろしくお願い致します! (2021年8月23日 21時) (レス) id: fbca4b02d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:檸檬堂 | 作成日時:2021年8月18日 23時