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「あのさ、これからも、伊野尾ちゃんって呼んでいい?」
いや、そんな上目遣いでそんな可愛いお願いされたら断れるわけないでしょ。
「いいよ、山田くん」
「あ、俺の名前知ってたの?」
「あ、いや、山田くん、有名人だから。俺は有名人じゃないけど」
ずっと引っかかってたんだよね、俺のこと有名人って言ったのが。
「は!?ないない(笑)俺が有名人なわけ無いじゃん!伊野尾ちゃんのほうがずっと有名だって!」
爆笑しながら否定した山田くん。
本当に自覚がないんだなぁ。
しかも俺のことを有名人だなんて、変わってる。
「どう?仲良くなれそう?お二人さん」
気がつくと、知念くんが側に来ていた。
「あ、ちぃおかえり」
ちぃ?
「あ、僕、知念だからちぃって呼ばれたりするんだ。いのちゃんだよね、よろしく。
で、仲良くなれそうなの?涼介、いつもストーカーしてた人と話せるなん…むぐっ」
ん?山田くんが知念くんの口を塞いだから何て言おうとしたんだか聞き取れなかった。
「ストーカー?あ、そーいえば山田くん、俺のことつけてたよね?どーしてだったの?」
「え!?知ってたの!?」
口を揃えて言う2人に頷く。
「うん、ねー大ちゃん、ってあれ?」
大ちゃんがいない!
「あ、有岡くんなら僕の次に歌いに行ったよ、有岡くん、いのちゃんのこと何回も呼んでたのに。気付かなかったから連れられてっちゃった」
え、山田くんしか見てなくて気付かなかった。
「でもさ、いつから気付いてたの?」
えっと、
「結構ずっと」
「涼介ダメダメじゃん!」
俺の答えに唖然とする山田くんと、山田くんを茶化す知念くん。
なんとも仲睦まじい感じで、俺にはすごく羨ましかった。
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作者名:take a walk | 作成日時:2022年5月9日 18時