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ym side
今日は高校生になって丁度1週間が経つ日。
というわけで、うちのクラスでは1週間記念の打ち上げをしようということになった。
それは放課後に、カラオケに行こうというものだったけど、俺は行かないつもりだった。
でも、なんか皆におされちゃって行くことになって。
憂鬱すぎる。
俺の癒やしの時間がぁ…。
癒やしの時間というのは、好きな人を追いかける時間。
入学式に一目惚れした人で、なんと相手は男。
でもすごく細くて目もぱっちりしてて、栗色に染まった髪の毛はふわっとしていてとても撫でたくなる。
その人を追いかけるのが、俺の日課。
入学式あと、たまたま電車の車両が一緒になったときに家が同じ最寄り駅であることが発覚した。
以来、俺は同じ時間の電車で、同じ車両に乗るべく頑張っている。
まあ、あの人が部活に入るかはわからないけど、今月中にはきっと部活も始まってこんなこともできなくなる。
だからこそこの時間を大切にしたかったのにぃ!!
「涼介、めっちゃ険悪な雰囲気が漏れ出てるよ。ストーカー行為できないから落ち込んでるの?」
話しかけてきたのは知念。
中学生からの友達で、クラスが一緒になれた唯一の友達。
そして、俺の良き理解者、親友で、今回恋したことも全て話している。
家が近いから知念も一緒に帰ってるけど、知念は自分のことを、
「ストーカーに巻き込まれている可哀想な被害者」
としている。
「たかが1週間経っただけだろ?そんなことで打ち上げなんて、どうかしてるだろ」
っていうか、なんで俺は行かなきゃならないんだ!
「そんなの、涼介が人気だからでしょ。カッコいいって、女子に人気だよ?他の男子としても、面倒くさがる女子を繋ぎ止めるために、涼介を無理にでも連れて行こうとしてるんだろうけど」
は?
いや、ないない。
俺が人気になるはずないじゃん。
唯一自信をもってるのはサッカーくらいだけど、まだこの高校でサッカーしたことないし。
「あ、そういえば新情報だよ」
知念は結構情報を持ってくる。
どこから仕入れてるんだか。
「どしたの?」
「涼介が恋してる綺麗な人、伊野尾慧っていう人らしいよ。早くも男子女子問わず人気になってるって」
「なんだって!?」
「だからいつか誰かに取られるかもね、いのちゃんを」
いのちゃん?
「伊野尾、でしょ?だからいのちゃん」
は、はあ。
そんなに人気なら、尚更今日は行きたくないなぁ。
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作者名：take a walk | 作成日時：2022年5月9日 18時
