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第15話 ページ18

いくら緊急事態とはいえ、特級になる可能性のある受胎と生死不明5名の救助に一年生派遣はありえない。1級呪霊に実力が近いとされる2級術師が2人いるとはいえ、特級が相手だったらそう簡単に太刀打ちできない。恐らく今回の件、上層部が一枚噛んでるなとAは結論付けた。

(さっさと虎杖を殺したい上層部(ヤツら)が、特級をけしかけて体良く始末したって感じか。私達3人が死んでも悟への嫌がらせになるとか考えたのかなぁ。私は悟の身内だし、さらに嫌がらせができる。呪術師は人手不足だって言ってるのに…頭空っぽにもほどがあるだろ)

そこまで考えたAはぼそりと呟く。

「やっぱ呪術界はクソだ」

医務室にその言葉が響き渡った後、廊下からカツカツと足音が聞こえてきた。こちらに近づいてくるのに気付いたAは、足音の主を察して扉が開くのを待つ。足音が止まり、医務室の扉が開かれた。そこにいたのは、家入硝子だった。彼女はAに近づきながら話しかけてくる。

「目が覚めたようだなA。頭と背中に異変はないか?」
「はい、大丈夫です。治療ありがとうございました、硝子さん」

すると家入は、報告書に記入しながら聞いてきた。

「大丈夫か?死んだんだろ、宿儺の器」
「そうですね。特にショックを受けてるわけではないですけど……少し、悔しいとは思ってます」

自分の意思で伏黒と少年院に残ったのに、結局自分は宿儺によって先に気絶させられ、伏黒を1人にした挙句、虎杖を死なせてしまった。自分が弱いのだと思い知らされた。相手が特級だったから、呪いの王だったから弱くて仕方ないなんて思いたくないのだ。

(強くなって自分を貫くために呪術師になったのに…)

様子を伺った家入はAの言葉に少し驚いた顔をしたが、すぐに元の表情に戻って自分の部屋に帰るように言った。

「ちゃんと夕飯食べて早く寝るんだぞ」
「はい。おやすみなさい」

医務室を出たときには、既に日は暮れていて、窓の向こうにある夜空には星々が顔を出していた。
自室に戻ったAは前日に買っていたおにぎりを食べ、風呂に入り、日課のストレッチをした後、ベットに寝っ転がった。

「もっと、強くなりたいな……癪だけど、また悟に稽古つけてもらうか」

そう呟いた後、Aはゆっくりと目を瞑る。まだ疲労が溜まっていたのか、すんなりと眠りにつくことができた。

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設定タグ:呪術廻戦 , 原作沿い , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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ヨッシー(プロフ) - 内水 眞衣香さん» コメントありがとうございます!五条先生凄かったですね!アニメではまた違う美しさがありました!呪霊側との接触も上手く書けるように頑張ります! (2020年11月15日 11時) (レス) id: 27a5e91788 (このIDを非表示/違反報告)
内水 眞衣香 - 五条先生は目隠しを外したら、雪のように白くて素敵だと思いました。真人も登場して、これからの活躍が楽しみです!^_^ (2020年11月15日 11時) (レス) id: 57a8ad7f5a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/  
作成日時:2020年11月7日 20時

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