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54. ページ4

your side

「ハァ、ハァ、」

私がトイレから出ると、辺りが煙臭かった。もっていたハンカチを口に当て、出口に近いところに向かった。

なんで火災報知器ならなかったんだろう…

上を見上げて、火災報知器のある場所を見た。

【只今故障中】

「…なんで今…」

最悪だ。でも、とりあえず出口に向かおうとした。そのとき、

バタン

通路の向こうから火がだんだん近づいてくるのが分かった。

ああ、もうダメだぁ

望みもなくなって、ぺたんと地面に座り込んだ。

明日のニュースで、カラオケ店の火災により高校生1人が死亡、とか出るんだろうな。

今日が命日か。

コンクール、ソロ吹きたかったな。

人4と柊君の恋、どうなったか見たかったな。

人8と先輩、上手くいってるといいな。

人10と日高君、どうなったかな。

…人2に好きって言いたかったな。

まだまだしたいこといっぱいあったのにな。

「人2…」

…馬鹿だな私。呼んでも来ない。聞こえないのに。

あれ、なんで周りがゆがんでるんだろ。

上手く立てない…

クラクラしてきて、その数秒後、

バタン

私の意識はなくなっていた。



人2side

「A!、どこだっ!」

俺はできるだけ煙を吸わないように口元を抑えながらAを探した。

クソ、どこだよ、

辺りは火がまわってきている。

もしかしたら、Aはもう犠牲になってるのかもしれない…

…馬鹿か俺。ネガティブになってどうする。

Aはきっと、いや、絶対に生きてる。

まだ行こう。絶対に助け出すんだ。

その時だった。

「人2…」

どこかからか俺を呼ぶ声がした。聞き間違えることは絶対ない、Aの声だ。

「A!」

声のした方に行く。

「ハァ、」

…いた、俺の愛しくて仕方のない存在。駆け寄って声を掛ける。

「A?大丈夫か?」

…答えない。けど、確かに呼吸する音が聞こえる。

俺はAを抱えた。

「大丈夫だからな。」

…大丈夫、俺が絶対に助け出すから。安心しろ。

できるだけ火のまわっていない方を通って出口に向かった。

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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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白豹 - 面白いです!笑続きが気になります!更新待ってます! (2019年6月18日 21時) (レス) id: ff9c95b7e7 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - 受験お疲れさまでした〜!キャンプ編のつづき、とても楽しみにしてます!!頑張ってください! (2019年3月19日 22時) (レス) id: ce8d2a8d7d (このIDを非表示/違反報告)
輝花☆(プロフ) - おもしろすぎ!楽しみに待ってます! (2019年2月23日 17時) (レス) id: 31fa4da9ec (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - がんばって下さいね!楽しみにしてます! (2019年1月26日 8時) (レス) id: 71dccdefe8 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ @メイン(プロフ) - 彩華さん» よかったです!!今ちょっと作者の都合上更新停止なのですが、春になったら更新できると思います! (2019年1月19日 19時) (レス) id: dbbaa59aee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミナ x他2人 | 作成日時:2018年3月5日 20時

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