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その日の放課後。
私は参考書を見に、書店に来ていた。
(数学が苦手だからなぁ‥‥)
数学を中心に、目についたものをパラパラとめくっていた。
(どれがいいんだろ‥‥)
私が悩んでいると、
「お悩みですか?…って、Aさんじゃん。」
(え、)
声をかけられて振り向くと、その笑顔に胸が高鳴った。
「えっと‥‥芹澤さん‥‥ですか?」
「そう!昨日ぶりだね!」
ニカっと真っ白な歯を見せながら笑う芹澤さんはとてもかっこよかった。
「どうしてここに?」
「ん?バイト。」
芹澤さんってここでバイトしてたんだ‥‥
‥‥なんかカフェとかでバイトしてそうだったのに。
「意外ですね、」
「そうかな?Aさんは参考書見てるの?」
私の手元を見て、芹澤さんが言った。
「はい、数学の参考書を探してるんですけど、どれがいいのかわからなくて‥‥」
「さすが特進科だね‥‥俺だったらこれかな。」
私の肩の上から芹澤さんの長い腕が伸びて、棚の参考書を取った。
「これだったら詳しく解説書いてるし、応用問題とかも結構載ってるからオススメだよ。」
芹澤さんから参考書を受け取り、パラパラとめくった。
確かに分かりやすい‥‥
「‥‥これ頂きます。」
「毎度ありー!1200円になります。」
私はちょうどピッタリ渡した。
「はい、丁度ね。ありがとうございましたー!Aさん、勉強頑張ってね。」
「‥‥はい、ありがとうございました。」
少し赤くなった頬を冷ましながら家に帰った。
「ただいまー」
「お帰りー」
自分の部屋に入って、早速参考書を取り出す‥‥‥そのとき、
ハラ
(ん?)
何か付箋のようなものが袋から落ちた。
それを拾い上げると、
【勉強ファイトー!】
と見慣れない字で書いてあった。
‥‥‥芹澤さんだ。
そのメモを見た瞬間、自覚した。
私、芹澤さんに恋したんだ。
ドキドキとうるさい鼓動と真っ赤になった頬が何よりの証拠だった。
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那星月佳(プロフ) - みなさん» はい、必ず見ますね!楽しみです! (2019年3月18日 21時) (レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 那星月佳さん» ありがとうございます!続編も見て頂けると嬉しいです! (2019年3月18日 20時) (レス) id: 160134a9e7 (このIDを非表示/違反報告)
那星月佳(プロフ) - 受験お疲れ様でした。続編へも続くのはとても嬉しいです。今後も応援してます。 (2019年3月18日 19時) (レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ @メイン(プロフ) - まぃりぃさん» そうなんですか!お互い頑張りましょうね! (2018年8月24日 12時) (レス) id: dbbaa59aee (このIDを非表示/違反報告)
まぃりぃ - お知らせ見ました!実は私もなんです…。頑張ってください!!応援してます♪ (2018年8月23日 23時) (レス) id: 6b8bf83b3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミナ x他1人 | 作成日時:2018年4月5日 15時