３８. ページ38
「…やーだー…」
放課後、例の市営グラウンドでの練習の為、移動をしなければならないらしい。
「頑張って、彼氏さんいるんでしょ？」
そう声をかけると、
「あ、そうだ！いってきまーす！」
ケロっと表情を変えて、教室から出て行った。
……ゲンキンな子。
……さて私も帰…
「今日の日直ー…Aか、ちょっと来てくれ。」
……嫌な予感しかしない。
「…なんでしょう。」
「悪い、プリントを綴ってくれないか…って、この前もAだったな。なんか悪い。」
…覚えてたんだ、
「まあはい…いいですよ、やります。」
どうせ家にいても勉強するだけだし。
「おー、助かる。ありがとな。」
・
(…この前の倍のくらいあるんですけど。)
全くうちの担任は人使いが荒い。
なんかPTAの資料を人数分まとめるらしくて、そう簡単には終わりそうになかった。
……でも、気が楽かもしれない。
「…よし、」
誰もいない教室に、私の声が響く。
…静かすぎるのも嫌だから、イヤホンをつけて音楽を鳴らしながら。
トントン
無機質な音だけが教室に響いていた。
・
「……あ、」
(…私すごい。)
なんと、あの大量にあったプリントが全てまとめ終わっていた。
イヤホンを外すと、
ザーザー
「…え、」
外は雨が降っていた。
気づかないうちに降っていたらしい。
(…折りたたみが…)
カバンを探る。
(…え。)
しかし、傘は見当たらない。
……そうだ、
一昨日愛音ちゃんの家に行った時に念のためリュックに入れてそのままだ。
「……最悪…」
…どうしてこんなに嫌なことが続くんだろう。
昨日あんなに傷ついたのに、まだ心を痛めつけるつもりですか神様。
そうだとしたら趣味が悪いですよ。
………なんて訴えても無意味。
「ハァ………」
机に突っ伏してみると、
(あれ…)
自然と涙が出てきた。
(…昨日泣いたじゃんか。)
拭っても拭っても涙は止まらない。
「………やだ…」
……どうせ誰もいないし。
「うっ……」
今は泣いてしまいたかった。
その時だ。
ガラッ
閉まっていたドアが開く。
「…A…？」
「………荒垣、くん…」
…最悪だ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 169人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
那星月佳(プロフ) - みなさん» はい、必ず見ますね！楽しみです！ (2019年3月18日 21時) (
レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 那星月佳さん» ありがとうございます！続編も見て頂けると嬉しいです！ (2019年3月18日 20時) (レス) id: 160134a9e7 (このIDを非表示/違反報告)
那星月佳(プロフ) - 受験お疲れ様でした。続編へも続くのはとても嬉しいです。今後も応援してます。 (2019年3月18日 19時) (レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ @メイン(プロフ) - まぃりぃさん» そうなんですか！お互い頑張りましょうね！ (2018年8月24日 12時) (レス) id: dbbaa59aee (このIDを非表示/違反報告)
まぃりぃ - お知らせ見ました！実は私もなんです…。頑張ってください！！応援してます♪ (2018年8月23日 23時) (レス) id: 6b8bf83b3b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミナ x他1人 | 作成日時：2018年4月5日 15時
