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第四話 慣れない ページ9

後輩と同期と別れて、現在、黄色い扉の前。
結局押されて来たけど、正直こう言う場所なんて慣れない。

昔から恋愛とか皆無だったし、どちらかと言うと女子からも男子からも色々貰ったりする立場だったし……。

まぁ良いか、なんて思いながら扉を開ける。

佐「……あれ」

開けたらすぐにいるのだろう人が居ない。
どういう事だろうと悶々としていると、声が響く。

?「おや、やっと来たんやね?」

声の響いた方、左側を向けば人が居た。
キセルを片手に、Yシャツの上に着物を着、黄色が基調の羽織ものをしている。
足元はブーツで、全体的に和洋……だなぁと。

に、しても、やっとと言うことはどういうことだろうか。私らが行く前に、先に誰が来ますなんて言われているのだろうか?

?「黒髪の大人しそうな子も初めてやろなぁって思ったけど、君もそうっぽいね」
佐「えっ……、まぁ、そうですね……?」

面白そうに控えめに笑う。
パット見の印象で悪いのだが、なんとなく上品だなぁと。

彼がこちらを向けば、少し目を細める。右目に少々前髪が掛かっている様だ。

?「名前、僕はセンラって言います。君は?」
佐「……佐倉、です」
セ「さくら………、下は?」
佐「美桜…」
セ「へぇ、可愛い名前やね」

そういうとまた笑う。

なんでこんな笑うか分からないけど、嫌な気持ちにはならない。

セ「ここおいで」

ソファーらしきところに座ってそう言ってくる。
拒否する理由も特に無いし、言われるがままに隣に座る。
若干距離を空けたのだが、平然と詰められる。

……なんか、近くないですかね。

セ「ねぇ、君の名前の漢字ってどんなのなん?」
佐「え?えっと……、土佐の佐に倉で佐倉、美しいに桜で美桜……、ですけど」
セ「へぇ……、いいね、桜が似合いそうな名前」
佐「…え?」
セ「だって、名字にも名前にも"さくら"って入っとるやん?」

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設定タグ:歌い手 , 志麻セン   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:饗李 | 作成日時:2020年2月13日 22時

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