療養�� ページ9
「ですから、本当に体に異常はないんです。いつ目覚めてもおかしくない状態なんですから、Aさんが目覚めても𠮟られないように、今はお仕事に集中してくださいよ。」
本日何度目かのセリフで隊士を帰し、しのぶはため息をついた。
姉、胡蝶カナエが花柱であることもあり、仲良くしてくれていたAだが、しのぶが考えていた以上に人望があったらしい。
Aと同僚の柱たちはもちろん、彼女に助けられたという一般隊士や隠たちまで毎日のように見舞いに来る。
さすがに蝶屋敷を知らない一般人たちは来ていないが、少しはこちらの気を考えてもらいたいものだ。
Aが眠りについて、もう二ヶ月になる。
上弦の弐とのあの戦いの後から、Aは目を覚ましていない。
上弦との戦いで生き残っただけでもすごいことではあるのだが、こうなってくると流石に心配だ。
(Aさん・・・)
心の中で彼女の名を呼び、ふっと息を吐き出した。
彼女が眠りについた理由は分かっている。
極度の疲労と、低体温症が重なったからだ。
姉のカナエによると、敵の鬼は氷の血鬼術を使用していたらしいから、半分ほどはそれが原因だろう。
Aは戦いの間大技を連発していたらしいし、その影響もあるのだろうが・・・。
憎い。
と、しのぶは思ってしまう。
Aをこんなことにした上弦の鬼が憎い。
姉の理想とは違ってしまうが、この際鬼を憐れむのはカナエに任せて、自分は思い切り憎んでしまってもいいのではないだろうか。
そう考えてしまうほどに、その鬼が憎かった。
「しのぶ、Aちゃんはいつも通りよ。」
ふと気がつくと、カナエがしのぶの顔を覗き込んで来ていた。
Aの容態が落ち着いてきた数週間前から、脈を取るなどのことはカナエに任せていたのだ。
心配を掛けてはいけない。
そう、しのぶは慌てて笑顔を作る。
「そっか。よかった。もう目覚めてもいいくらいだもの。」
戦いの後、カナエも一週間ほどは動くことが出来なかった。
リハビリが済んだ今も、視力が下がったせいで前と同じ動きはできない。
それでも、生きていてくれてよかった。
しのぶは心からそう思っている。
その分、Aに感謝しなくてはいけないのだが。
微笑んで眠っているAの頬を撫でるようにして、しのぶは呟く。
(Aさんは・・・私の太陽のような人なんです。)
「もうそろそろ、帰ってきてくださいよ。」
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ひかる(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！今書いている義勇さんの小説の方を完結させてからになりそうですが、この作品もちゃんと完結させる予定なので今後ともよろしくお願いします！ (3月19日 23時) (
レス) @page41 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 面白いです。先が気になります。時透兄弟好きです。 (3月19日 22時) (レス) id: 0b98448e7e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 廣岡唯さん» しのぶさん私も愛してます。 (2023年4月6日 17時) (レス) id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ぴさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえたので、更新します！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page11 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい…しのぶさん愛しているぞ (2022年11月3日 11時) (レス) @page10 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年6月25日 16時
