甘露寺蜜璃�� ページ49
「うん・・・。」
Aを見上げた少年の目には、僅かに光が灯っていた。
Aは静かに微笑むと、手を引いて立ち上がる。
蜜璃とは二手にわかれ、それぞれの家に子供たちを帰した。
すごい子だな、蜜璃ちゃん。
杏寿郎君が認めるのも頷ける。
あの少年への謝罪。
柱でも簡単に出来ることではない。
たくさん失敗もするだろう。
だが、同時にたくさんの人の心をも救って行くのだろうと思う。
戦闘に関してもなかなかのものだ。
柔軟性と筋力の高さは特異なものだろうか。
場合によっては恋の舞を教授しようかと思っていたが、あの様子なら蜜璃独自のものを考えたほうがいいだろう。
再度合流してから、蜜璃に桜餅を奢ってあげた。
大好物らしく、髪の色は桜餅に由来するのだとか。
非常な健啖家である蜜璃に、Aは驚いたのだった。
蝉が鳴き出す頃、有一郎からの手紙を受け取った。
稽古で流した汗を拭って、Aは星屋敷の縁側に座る。
吹き抜けて行く風が心地よい。
甘えるように跳んで来たつゆ羽の頭を、人差し指で掻いてやった。
拝啓 香月A様
夏が近づいて参りました。
時候の挨拶から始まるその手紙は、鬼殺隊への入隊を決めたという内容だった。
無一郎と有一郎は、別々の育手のもとへ行くことになる。
貫いてきた方向を変え、向き合うのは苦しいことだっただろう。
「無一郎と俺を救ってくれて、ありがとうございます。」
その一文にAは少し驚き、微笑んだ。
道場から出てきた真菰が、Aを見つけて駆け寄ってくる。
「有一郎君からだ！」
手紙の内容を伝えると飛び上がって喜び、もう指導の計画を立て始めた。
『私たちが稽古するのは、二人が鬼殺隊に入ってからだよ？』
「あの二人なら、きっとすぐだよ。」
『そうかなあ。』
硯、どこに直したっけ？とAが聞くと、てきぱきと返信を書く用意をしてくれた。
私の方こそ、ありがとう。
筆を執ったAは少し考えて書き始めた。
『真菰ちゃんも書きなよ。』
ちょこんと隣で待機している真菰に言った。
「うん。あとで書くね。」
二人分の手紙を足に結びつけ、つゆ羽は飛び立った。
暑さが和らいで来ると、柱合会議の季節だ。
Aは黄色がかった青空の下をゆっくりと歩いていく。
多くの柱たちが既に揃っていた。
「A」
義勇が気づいてAを呼んだ。
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ひかる(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！今書いている義勇さんの小説の方を完結させてからになりそうですが、この作品もちゃんと完結させる予定なので今後ともよろしくお願いします！ (3月19日 23時) (
レス) @page41 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 面白いです。先が気になります。時透兄弟好きです。 (3月19日 22時) (レス) id: 0b98448e7e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 廣岡唯さん» しのぶさん私も愛してます。 (2023年4月6日 17時) (レス) id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ぴさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえたので、更新します！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page11 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい…しのぶさん愛しているぞ (2022年11月3日 11時) (レス) @page10 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年6月25日 16時
