甘露寺蜜璃�� ページ47
(見つかっちゃった。見つかっちゃった！！)
嵐のように繰り出される拳を避けながら、蜜璃は心の中で叫んだ。
当然の如く、Aはまだ居場所を悟られていない。
素早い鬼の攻撃で、息つく間もない。
体の柔軟性を活かしてなんとか避けているが、いつまで保つかどうか。
(せっかくAさんが指示してくれたのに、全然役に立てない！！)
『蜜璃ちゃん、頸を狙って！！避けなくても大丈夫だから！！』
Aの声が聞こえた。
「えっ・・・！」
一瞬、動きを止めた蜜璃。
ズドン、と攻撃が鳩尾に入る。
食らってしまった。
そう思った次の瞬間、蜜璃は狐につままれたような気分になった。
(痛みがない・・・どういうことなの？)
体はさっきの通りに動く。
この攻撃には実体がないのだろうか。
鬼が自分の分身体を作ることはあれど、まさか攻撃全てが幻覚だとはなかなか思わない。
だが、さっきのAの指示。
蜜璃は素早く切り替え、頸を狙った。
「恋の呼吸 壱の型 初恋のわななき！」
「待って！！」
目の前に少年が飛び出してきた。
正義感に燃えた瞳でばっと手を広げる。
「駄目だよ！僕たちの友達なんだ。」
これでは斬れない。
躊躇う蜜璃の目の前を、白い風が横切った。
『大丈夫だよ。』
背中でAの声が聞こえる。
抜け出そうともがく少年と、飛び出して行こうとする子供たちを抑えていた。
(Aさんが先手を打ってくれたんだわ！)
子供たちが予想外の動きをするかもしれないこと、子供たちの救出を優先すること。
さっきのAの指示を、鬼に見つからないうちに実行してくれたのだ。
だが子供たちを抱えながらではAは動けない。
蜜璃が頸を斬らなければ。
(でも・・・でも本体はどこにいるの？)
冷静になった蜜璃は考え直す。
攻撃に全て実体がなかったのだから、今見えている鬼は本体でないはず。
『風の舞 参の型 晴嵐風樹』
Aが出した風が、充満していた煙を吹き飛ばした。
視界が開かれる。
煙にすらも気が付かなかった。
鬼の血鬼術で隠されていたのだろう。
Aは子供たちが動き出す前に刀を納めた。
ぱっと元の場所に戻る。
(はやっ！！)
蜜璃はあんぐりと口を開いた。
動けない、を覆すような早業だ。
大丈夫。
ここからならやれる。
「そこねっ！」
蜜璃は切先を木の上に向けた。
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ひかる(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！今書いている義勇さんの小説の方を完結させてからになりそうですが、この作品もちゃんと完結させる予定なので今後ともよろしくお願いします！ (3月19日 23時) (
レス) @page41 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 面白いです。先が気になります。時透兄弟好きです。 (3月19日 22時) (レス) id: 0b98448e7e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 廣岡唯さん» しのぶさん私も愛してます。 (2023年4月6日 17時) (レス) id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ぴさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえたので、更新します！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page11 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい…しのぶさん愛しているぞ (2022年11月3日 11時) (レス) @page10 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年6月25日 16時
