極寒�� ページ5
「わぁ、速いねぇ。今まで会った柱の中で一番速いかも。」
そう言って、Aの一撃を余裕の笑みで受ける童磨。
止めるつもりで出したらしい右腕は切り裂かれた。
「いい刀だ！速いし強いんだね、君は。」
『風の舞 参の型 晴嵐風樹』
童磨の血鬼術で発生する氷を散らしつつ、Aは攻撃を入れていく。
「そうそう、さっきは済まなかったね。俺の縄張りで動いてた子なんだけど、放っておいてたら調子に乗っちゃったみたいで。」
先ほど、Aとカナエが倒した鬼のことを言っているようだ。
「俺も女の子を食べるけど、あんなへまはやらないよ。君たちの任務はあの子のことだったってわけ。俺が出て来ちゃうなんて、不運だなぁ。」
でも大丈夫！
わざとらしいほど悲しそうな声色を出した後、これまでで一番の笑顔になって童磨は告げる。
「俺がちゃんと食べてあげるからね。苦しみからも救われて、永遠の時を俺と一緒に過ごすんだ。」
ギリギリの攻防の中で、童磨だけが余裕の笑みで話し続けている。
癇に障る鬼だ。
人を食うことが救済になると、本気で思っているのだろうか。
こいつのせいで・・・
Aは考える。
こいつのせいで、どれほどの人の物語が終わらされたのだろう。
どれほどの人が、悲しい物語を描くことになったのだろう。
食われることじゃなく、もっと別の方法で救われるべきだったはずだ。
理想論を振りかざすつもりはない。
だからといって、童磨の理論に賛同は出来ない。
「血鬼術 散り蓮華」
『風の舞 四の型 昇上砂塵嵐』
童磨が放った広範囲を技を力で押し返す。
「う〜ん。君は、どうやっても吸わないみたいだ。」
しばし逡巡するふりをして、童磨は目を瞑った。
すぐにパッと目を開ける。
「でも、あの子はどうかな？」
「血鬼術 寒烈の白姫」
『っ・・・』
巫女の辺りに冷気が漂い始める。
あれだけでも危険だ。
『カナエ・・・！？』
「花の呼吸 弐の型 御影梅」
Aの呼び声に何かを察したのか、タイミングよくカナエが御影梅を使った。
(よかった・・・カナエ！)
カナエの心配は辞めよう。
彼女も柱なのだ。
自分のことはなんとかできる。
今は、この鬼に集中しなければ。
カナエの方に向いた視線を童磨に戻し、Aは呼吸を整えた。
童磨はまだ本気を出していない。
そんな状態で押されてはいけないのだ。
まずは一撃。
・・・一撃だけでも、有効打を与えなければならない。
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ひかる(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！今書いている義勇さんの小説の方を完結させてからになりそうですが、この作品もちゃんと完結させる予定なので今後ともよろしくお願いします！ (3月19日 23時) (
レス) @page41 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 面白いです。先が気になります。時透兄弟好きです。 (3月19日 22時) (レス) id: 0b98448e7e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 廣岡唯さん» しのぶさん私も愛してます。 (2023年4月6日 17時) (レス) id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ぴさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえたので、更新します！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page11 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい…しのぶさん愛しているぞ (2022年11月3日 11時) (レス) @page10 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年6月25日 16時
