時透兄弟�� ページ33
入り口に立ってAを睨むのは、鬼に襲われかけていた方の彼。
『鬼殺隊、星柱・・・って言ってもわかんないか。香月Aと言います。二人で暮らしているの？』
「だったら何だよ。」
『こういうところは危ないよ。少なくとも、夜、窓を開けておくのは感心しないな。』
「言われなくてもわかってる。」
「兄さん、この人は助けてくれたんだよ・・・」
「うるさい！お前は黙ってろ！！」
怒鳴られた方の子がくちびるを噛んだ。
『君たち、お名前は？』
「時透有一郎。こっちは弟の無一郎。」
剝き出しの警戒心を込めた視線のまま有一郎が言う。
「あんた、産屋敷ってやつの仲間か？」
え、とAは息をのんだ。
『お館様を知っているの？』
「あまねさんって人が前にここに来てたんだ。・・・教えて。僕は剣士になれる？」
「言っただろう！お前は剣士になんてなれない。そんなことができるのは・・・」
言い争う二人を見て、Aは考える。
あまねというのは確か、産屋敷輝哉の妻だったはず。
産屋敷家当主の奥方が自ら、そんなことがあるのだろうか。
(・・・でも、だとしたら。)
『ねえ、二人とも。一度だけ鬼殺隊の保護下に入らない？鬼は倒したけれどまだ危ないかもしれないし・・・一度、お互いにゆっくり話したほうがいいと思うんだ。』
恐らく、輝哉はこの二人の保護を厭わない。むしろ歓迎するだろう。
鬼殺隊の保護下にいてくれるなら、すれ違っている二人の仲を取り持つくらいのことはできるかもしれない。
「あんたなんかに、俺たちのことがわかるかよ。」
そう切り捨てようとした有一郎を押しのけるように、無一郎がAを真っ直ぐに見つめた。
「僕、行きたい。」
「無一郎・・・！」
「兄さん、僕はAさんについていくよ。」
有一郎は無一郎の澄んだ瞳に気圧され、目を見開く。
Aはそっと二人の手を取った。
『・・・とりあえず、蝶屋敷に向かおうか。』
星屋敷でもいいが、あそこの方が人が多い。
二人の気もまぎれるのではないだろうか。
蝶屋敷では、カナエが優しく出迎えてくれた。
アオイが二人を診察している間に、Aは事情を伝える。
『・・・そういうことだから、しばらく置いてあげてほしいの。特別扱いみたいになってしまうから申し訳ないんだけど・・・。私もできる限り様子を見に来るようにするから。』
「Aちゃんの頼みだもの。大丈夫よ。個室を二部屋用意するわね。」
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ひかる(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！今書いている義勇さんの小説の方を完結させてからになりそうですが、この作品もちゃんと完結させる予定なので今後ともよろしくお願いします！ (3月19日 23時) (
レス) @page41 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 面白いです。先が気になります。時透兄弟好きです。 (3月19日 22時) (レス) id: 0b98448e7e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 廣岡唯さん» しのぶさん私も愛してます。 (2023年4月6日 17時) (レス) id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ぴさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえたので、更新します！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page11 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい…しのぶさん愛しているぞ (2022年11月3日 11時) (レス) @page10 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年6月25日 16時
