獪岳�� ページ23
いい感じだ。
鬼の『音』に向かって駆けながら、Aはそう思った。
あの童磨戦の経験からだろうか、鬼の『音』がこれまでよりずっとよく聴き取れる。
森のそこら中にいるらしい鬼の位置も、一番強い鬼がどれなのかも。
森の中央の方で、人間の『音』がある。
あれが獪岳と一緒に来た隊士たちだろう。
行く手に現れた鬼を居合いの動きで流れるように倒し、Aは走り続ける。
隊士たちは苦しい戦いを強いられているらしい。
視界が少し開けた瞬間、Aは戦場に躍り込んだ。
『雷の舞 四の型 遠雷』
「星柱様！」
森の中心部、木々の開けた場所には、Aが見たこともない数の鬼がひしめき合っている。
斬っても斬っても現れる鬼たちに、必死の形相で立ち向かう隊士たち。
異様な光景に、獪岳は動きを止めた。
『獪岳！止まるな刀を抜け！』
はっとしたように動き出す獪岳。
致命傷を追った者がいないことを確認して、Aは真ん中の水晶玉を握った鬼を睨んだ。
やけに小さい。子供の姿をしている。
小高くなった丘。
その周囲だけ、鬼がいない空間が空いていた。
まるでその鬼には、他の鬼では近づけないというように。
『水の舞 参の型 流流舞』
Aの動きを阻むように立ち塞がる鬼を一呼吸に倒し、瞬く間に鬼の間合いに踏み込んだ。
と同時に、地面が動いたような感覚に合う。
一寸先には鬼の顔が見えた。
猫のような金のつり目には何の文字も入っておらず、ただ抜け目ない鋭い光があった。
「キャハハ」
甲高い笑い声を上げ、子供の鬼はAに蹴りを入れようとする。
『水の舞 拾壱の型 凪』
Aが切り裂いた脚はすぐに再生する。
刀を構え直したとき、視界の端に森に逃げ込もうとする獪岳が見えた。
目の端で様子をうかがう。
一般隊士たちが押されている。
残り少なくなった鬼の決死の攻撃だが、獪岳だけが食らわなかったようだ。
『獪岳！』
水晶玉の鬼を睨んだまま、Aは怒鳴る。
『出来ることからも逃げる、お前は鬼殺隊の名折れか』
鬼が動き出した。
獪岳のほうは顧みず、Aは距離を縮めた。
『蟲の舞 蜈蚣の型 百足蛇腹』
血鬼術はAを引き寄せるものか、それとも地面を動かすものか。
わからないが、どちらにしろやることは同じだ。
『炎の舞 壱の型 不知火』
術を出す暇も与えず、Aは鬼の頸を斬った。
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ひかる(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！今書いている義勇さんの小説の方を完結させてからになりそうですが、この作品もちゃんと完結させる予定なので今後ともよろしくお願いします！ (3月19日 23時) (
レス) @page41 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 面白いです。先が気になります。時透兄弟好きです。 (3月19日 22時) (レス) id: 0b98448e7e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 廣岡唯さん» しのぶさん私も愛してます。 (2023年4月6日 17時) (レス) id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ぴさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえたので、更新します！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page11 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい…しのぶさん愛しているぞ (2022年11月3日 11時) (レス) @page10 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年6月25日 16時
