獪岳�� ページ22
『つゆ羽・・・』
「ワカラナイ・・・」
鎹鴉のつゆ羽には何か情報が入ってきているのではと思ったが、どうやら本当に情報は無いらしい。
どうしたものか、Aは考えを巡らせる。
合同任務の相手がまだ到着していないのならここで待っていてもいいのだが、もし先に向かってしまったのだとしたら・・・。
急がなければならない。
柱に指令が下るような鬼なのだ。一般隊士だけでは荷が重いだろう。
Aは耳を澄ました。
『音』を聴き取るより先に、かすかな叫び声が聞こえてきた。
はっと顔を上げ、Aは走り出す。
ひらりと木の枝に飛び乗ると、叫び声のする方に大きく跳び上がった。
『蛇の舞 参の型 塒締め』
着地と同時に体をねじって技を繰り出し、鬼の頸を落とす。
振り返ると、刀を握って呆気に取られる少年がいた。
『鬼殺隊星柱・香月A。状況は？』
「階級・壬、獪岳。この森の前で立ち止まった瞬間、引きずり込まれて・・・任務に来た奴らも、散ってしまったみたいです。」
『そう』
癖の強い髪の、きかん気そうな隊士だった。柱のAが来て少し安心したのか、力が抜けているように見える。
それでも真っ直ぐな眼差しを向けて、獪岳はそう言った。
『妙だね』
険しい表情で、Aは夜空を睨んだ。
「なにか？」
『この森のそこかしこから鬼の『音』がする。』
獪岳は無言のまま、目を大きく見開いた。
『油断しないで。逃げられる前に、今晩で片をつける。』
「俺は・・・」
不安げに立ちすくむ獪岳を安心させようと、Aは微笑みを向けた。
『大丈夫。みすみす後輩を死なせはしないよ。君には私の狩り残しを頼みたい。』
「・・・はい」
うつむき気味に、獪岳は応えた。
『とはいえ話している時間は、あんまり無いみたいだけど！』
ガサガサ、と木の葉が揺れ、二体の鬼が飛び出してきた。
『水の舞 四の型 打ち潮』
「Aさん上！」
『日の舞 玖の型 陽華突』
上から飛び降りてきた鬼の頸も一太刀で落とし、Aは息をついた。
周囲に鬼の『音』はないが、のんびりしている暇はない。
走り出したAは、後ろの獪岳に尋ねた。
『獪岳、選んで。私と来て首領らしき鬼と戦うか、森中にいる弱い鬼の対処をするか。』
「俺は・・・俺は、Aさんと行きます！」
『わかった！』
Aはスピードを上げる。獪岳は大きく呼吸して、Aの後を追った。
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ひかる(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！今書いている義勇さんの小説の方を完結させてからになりそうですが、この作品もちゃんと完結させる予定なので今後ともよろしくお願いします！ (3月19日 23時) (
レス) @page41 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 面白いです。先が気になります。時透兄弟好きです。 (3月19日 22時) (レス) id: 0b98448e7e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 廣岡唯さん» しのぶさん私も愛してます。 (2023年4月6日 17時) (レス) id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ぴさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえたので、更新します！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page11 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい…しのぶさん愛しているぞ (2022年11月3日 11時) (レス) @page10 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年6月25日 16時
