極寒�� ページ3
「なんだぁ？旨そうな女じゃねぇかぁ」
現れた鬼は舌なめずりをする。
爪の周りに血がついていた。
間に合わなかったか・・・。
Aは歯嚙みする。
『水の舞 四の型 打ち潮』
ふわりと舞い上がるように、Aは技を使う。
間一髪のところで、態勢を崩しながらも鬼は攻撃を避けた。
一撃目は避けられた。
しかしAの太刀筋を見て、早くも逃げ腰になっていた。
いかにも鬼という容貌だが、理性はあるようだ。
「なんだよ獲物かと思ったのによ。強いんじゃねぇかよ！」
「花の呼吸 伍の型 徒の芍薬」
死角に隠れていたカナエが飛び出してきて、鬼の頸に迫る。
「血鬼術・・・」
鬼は必死で血鬼術を発動し、カナエの攻撃を防ごうとした。
しかし。
『もう一人いるんだな。』
心底興味がない。
そんな醒めた目をしたAが、冷たい声音で言った。
咄嗟に血鬼術を発動したはいいが、恐怖で目を閉じてしまっている。
そんな状態の鬼が、柱を二人も相手取れるはずがない。
背後から近づいたAに、鬼の頸が落とされた。
眼を見開いた鬼の体が、呆気なく崩れていった。
そんなわけはない。
そう、Aは呟く。
今のは、下弦にも満たない鬼だった。
それにさっきから聞こえている強い『音』は、どんどん近づいてきているのだ。
『おかしいと思わない？』
カナエに話をふる。
「そうねぇ・・・。」
カナエも桜色の瞳を細めて、遠くを見据える目つきをする。
『だって・・・。』
さっきの鬼で、柱二人呼ぶほどの被害を出せるわけがない。
成長している最中らしかったあの鬼は、随分の数の人間を腹のうちに収めることができただろう。
しかし、そのくらいならば普通にいるものだ。
それに柱が派遣される任務では、既に何人かの隊士が行方不明になっている現場が多い。
それにしては、あの鬼は明らかに戦闘慣れしてなかった。
『たぶん黒幕がいるんだろうね。大方、自分の活動がばれないように置いていた鬼が暴走しちゃったんじゃないの。』
強い鬼ならば、他の鬼をそんな風に使うこともある。
数回だけだが、そういうことも見てきた。
基本群れない鬼だが、仲間を利用することはあるのだ。
『それにしても・・・』
「やあやあ、こんばんは！今夜はいい夜だねぇ！」
Aが口を開きかけた時、暗い夜道に場違いなほどの明るい声が響いた。
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ひかる(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！今書いている義勇さんの小説の方を完結させてからになりそうですが、この作品もちゃんと完結させる予定なので今後ともよろしくお願いします！ (3月19日 23時) (
レス) @page41 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 面白いです。先が気になります。時透兄弟好きです。 (3月19日 22時) (レス) id: 0b98448e7e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 廣岡唯さん» しのぶさん私も愛してます。 (2023年4月6日 17時) (レス) id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ぴさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえたので、更新します！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page11 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい…しのぶさん愛しているぞ (2022年11月3日 11時) (レス) @page10 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年6月25日 16時
