復帰�� ページ20
『しのぶちゃんはね、しのぶちゃんらしく頑張ったらいいんだよ。』
戸惑ったように目を瞬くしのぶ。
カナエもしのぶの隣に立ち、優しくしのぶを見つめた。
『カナエの代わりになるなんて、しなくていいの。しのぶちゃんとカナエは違うんだから。だから、あのね・・・』
その後に続く言葉を探そうと、Aは少し目線を空にやった。
『私はしのぶちゃんの、笑った顔が好きだな。』
「ふっ、あはは！なんなんですか、それ。」
堪え切れずに笑い出したしのぶを見て、Aは慌てて弁解する。
『えっと、だから、もっとしのぶちゃんらしく笑ってほしいっていうか、自分を抑えてほしくないっていうか・・・。』
「わかってますよ。」
しのぶは顔を上げて、Aをはっきりと見上げた。
「私、ちょっと焦っていたんです。姉さんの代わりにならなきゃって、姉さんみたいに、鬼を救おうと努力できる優しい柱にならないとって。」
でも、どうしても出来ないんです。
そう、しのぶは言う。
「私は鬼が、憎い。大切な人を危険にさらす鬼が。それで、限界は感じていたんです。」
「しのぶ・・・。」
もどかしそうな、苦しそうな表情がカナエの顔に浮かんだ。
何かしてやりたいが、今はしのぶの話を聞くしかない。
Aは二人の言葉を待った。
「たぶん、姉さんにも心配をかけていたと思う。ごめんなさい。それと・・・やっぱりAさんは、なんでもお見通しなんですね！」
ぱあっと晴れ渡るようなしのぶの笑顔に、Aも思わず笑みを浮かべた。
「ふふ、しのぶはどんな時でも、Aちゃんが大好きなのね〜。」
「姉さん！」
どこか懐かしい二人のやり取りを聞きながら、Aは蝶屋敷の面々に別れを告げる。
『きよちゃん、なほちゃん、すみちゃん、アオイちゃん。長い間、お世話になりました。ありがとう。』
「また、来てくださいね。」
『もちろん。』
心配そうに見上げて来るアオイにそう答え、意味ありげに微笑む。
わかっている。という風に、アオイは頷いた。
『カナヲちゃんもね。』
そう言って頭に手を置くと、カナヲはAを見上げた。
虚ろだった瞳に、少し光がともる。
Aは微笑んで、しのぶたちに視点を戻した。
「大丈夫です。姉さんとは違っても、必ず立派な剣士になりますから。」
『しのぶちゃんなら出来るよ。』
最後に全員の顔を見渡して、Aは歩き出した。
星屋敷に戻って、任務の支度を始めなければ。
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ひかる(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！今書いている義勇さんの小説の方を完結させてからになりそうですが、この作品もちゃんと完結させる予定なので今後ともよろしくお願いします！ (3月19日 23時) (
レス) @page41 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 面白いです。先が気になります。時透兄弟好きです。 (3月19日 22時) (レス) id: 0b98448e7e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 廣岡唯さん» しのぶさん私も愛してます。 (2023年4月6日 17時) (レス) id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ぴさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえたので、更新します！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page11 id: 463449c621 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい…しのぶさん愛しているぞ (2022年11月3日 11時) (レス) @page10 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年6月25日 16時
