胡蝶カナエ�� ページ9
『水の舞 陸の型 ねじれ渦』
鬼は呆然として立ち尽くしていた。
Aの移動を見切れなかったらしい。
Aの刀が鬼の頸を落とす。
「え・・・？」
驚いて言葉も出ない。
そんな様子で、鬼はそんな声を上げた。
鬼の体が消えゆくことを確認して、Aは後ろを振り向く。
大勢の隠たちが出てきて、負傷した隊士たちの手当をしていた。
多くは重傷を負っている。
これから、隠たちの本部に運んで本格的な治療をするそうだ。
『場所が足りなければうちを使ってください。真菰ちゃんが開けてくれるはずです。』
Aは片手をあげて、隠たちにそう告げる。
そのAの声は、誰かの声と被った。
「人手が足りなければうちに運んでください。妹のしのぶが治療に当たれます。」
声のした方に目を向けると、美しい女の子と目が合った。
桃色の蝶の髪飾りを二つ長い髪につけ、蝶のような羽織を着ている。
『あなたは・・・？』
Aの声に気づいて、その女の子は背筋を伸ばした。
「階級・己 胡蝶カナエと申します！」
その名を、Aはどこかで聞いたことがあった。
しばらく考えて、思い出す。
『あぁ、真菰ちゃんの！』
ぽんと手を打ったAに、カナエは不思議そうに首をかしげる。
『真菰ちゃんと同期の、カナエちゃんですか？継子がお世話になってます。私は星柱・香月A。Aでいいですよ。』
「Aさんですね。真菰ちゃんのお師匠様の・・・。こちらこそ、真菰ちゃんにはお世話になっています。」
Aが真菰の師匠だとわかると、カナエは傾げていた首を戻した。
こちらこそ、と言って、綺麗なお辞儀をする。
『さっきの「御影梅」は、カナエちゃんのなのかな？ありがとう。おかげで助かったよ。』
「お役に立てて良かったです。」
そのとき、消えかけた鬼の声が聞こえてきた。
「花火・・・い・・・こ・・・」
Aは悲しい顔になり、カナエは眉を八の字に下げる。
そっと、Aが鬼に歩み寄った。
伸ばされた手を取ってやる。
『花火を、見たかったのかな。』
鬼の最後のひとかけらが消えて、Aはぽつりと呟いた。
「鬼になってしまうなんて、悲しいことですよね。」
Aを見下ろすような位置に立っていたカナエが言う。
カナエは「鬼と仲良くしたい」という理念を持っているらしい。
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ひかる(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます！励みになります。 (2022年6月2日 18時) (
レス) id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ooooさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年6月2日 18時) (レス) @page36 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
oooo - え！！最高すぎます！！これからも頑張ってください！！ (2022年5月29日 10時) (レス) id: 79b285b7ae (このIDを非表示/違反報告)
ちー - ヤバすぎマジで好き！続きまってます！ (2022年5月23日 23時) (レス) @page20 id: 260906d624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年5月15日 10時
