継子�� ページ6
『私は別に宇随を守るんじゃない。宇随がピンチになったら勝手に駆けつけるだけだから、気にすんな。大事な友達だ。みすみす死なせやしない。』
まぁ、宇随なら私の出る幕なんてないかもしれないがな。
そうAが言うと、天元は威勢よく返す。
「おうよ。ピンチなんてお前が来る前に片づけてやらぁ。」
そのうちに、音屋敷に近づいてきた。
「天元様ー！」
聞こえてきた声に顔を上げると、屋敷の二階の窓からかわいらしい女の子が手を振っている。
「おう須磨。帰った。」
天元も片手をあげて答える。
『お、嫁さん？』
「優秀なくのいちだ。三人ともな。」
そして、俺の大事な女房だ。
瞳にまっすぐな光を浮かべて、天元は言う。
『いい子たちなんだな。』
「須磨」と呼ばれた女の子は、まだ手を振り続けている。
その声を聞いて、他の二人も出てきた。
一人は勝気そうなつり目がちの子。
前髪が金髪で、残りの黒髪は頭の後ろで一つにまとめている。
もう一人は紫色の目をした長い髪の女の子。
賢そうな子で、三人の中では一番年上のように見える。
見ていると、勝気そうな女の子と須磨が喧嘩を始めた。
その二人を紫色の目の子が止めに入っている。
「おうおう。まきをもその辺にしてやれよ。」
三人の様子を見た天元が、茶化すような調子で呟いた。
『じゃ、お騒がせしないうちに帰るよ。またね。』
「おう・・・あ、そうだ。」
背を向けようとしたAを、天元が呼び止める。
『何？』
「継子の話さ。その真菰ってやつにも、訊いといた方がいいんじゃないのか？」
確かに、真菰に了承を得ないままに継子にしてしまっていた。
はっとしたAに、天元は続ける。
「ま、大丈夫だろうけどな。」
『そうだね。真菰ちゃん、優しい子だし。』
「いや、そうじゃなくて」
『なんだよ。』
「いや、何でもね。」
『ふ〜ん。まあいっか。』
Aの後ろ姿から目を反らし、烏の群れが飛んでいく方を見ながら天元はもごもごと口の中で言う。
「お前の継子になりたがらない奴なんて、いねーだろ。」
『なんか言ったか？』
天元が動いた気配を察して、Aは言った。
「なんでもねぇって。またな。」
『変な宇随。』
またな。
後ろ手で天元に手を振って、Aは星屋敷に向かって歩き出した。
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ひかる(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます！励みになります。 (2022年6月2日 18時) (
レス) id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ooooさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年6月2日 18時) (レス) @page36 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
oooo - え！！最高すぎます！！これからも頑張ってください！！ (2022年5月29日 10時) (レス) id: 79b285b7ae (このIDを非表示/違反報告)
ちー - ヤバすぎマジで好き！続きまってます！ (2022年5月23日 23時) (レス) @page20 id: 260906d624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年5月15日 10時
