風柱�� ページ50
今日だって槇寿郎は会議の間、一言も発しなかった。
厳格ではあるが暗いわけではなく、誇りを持って仕事に臨む、鬼殺隊のお手本のような人なのに。
先代水柱の件があって落ち込んでいるのだろうか・・・。
そう、Aは考えた。
義勇にも話を振ってみる。
『煉獄さん、最近元気がないと思わない？』
「そうだろうか。」
心当たりがないらしく、首をひねる義勇。
柱になってまだ日が浅い義勇は槇寿郎との親交も薄い。
気づかなくても無理はないのかもしれない。
『前はもっとこう、よく話す人だったんだ。』
明るいまではいかなくてもさ。
Aは付け足す。
それに、あの人の笑顔はとても優しいのだ。
人に威圧感を与えるような、間違ってもそんな人ではなかった。
『次の柱合会議では、ちょっと声を掛けてみるよ。』
「そうだな。それはいいと思う。」
巫女の出身という事情を知っているせいか、義勇はAの勘を信頼してくれている。
Aが気になるのなら何かあるのだろう。
そんな風に応えた。
星屋敷に着く。
稽古をしていたのか、汗だくの真菰が慌てて出迎えてくれた。
「Aちゃん、おかえり。お疲れ様。義勇も久しぶり。」
『ただいま真菰ちゃん。』
「Aを送ってきた。俺は帰る。」
「そっか、気をつけてね。」
義勇はくるりと背を向けて、Aと真菰は屋敷に入る。
風柱に就任した剣士がいると、Aが真菰に教えてやった。
『実弥君って言うんだけど、面白い子でね。カナエちゃんと知り合いみたいだったから、真菰ちゃんも知ってるのかな。』
「その人は知らないなぁ。見かけたら話しかけてみるよ。」
カナエと真菰は少し性格が似ている。
真菰とも合うかもしれない。
そうAが言うと、真菰は応えた。
その夜、Aは輝哉に手紙を書いた。
最大限に丁寧な字で書いた手紙を、鎹烏のつゆ羽の足に結んで運んでもらう。
すぐに返事が来た。
槇寿郎のことは、輝哉も把握していたそうだ。
「Aが声を掛けてあげてくれるなら、すごく助かるよ。槇寿郎もAのことは気に入っているみたいだから、邪険にするようなこともないだろう。槇寿郎に鬼殺隊は続けられないというなら仕方がないけれど、出来れば諦めないように説得して欲しい。頼りにしているよ。」
要約すると、そんな返事だった。
『頼りにされてるんだ。』
ふふっと、Aは微笑んだ。
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ひかる(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます！励みになります。 (2022年6月2日 18時) (
レス) id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ooooさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年6月2日 18時) (レス) @page36 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
oooo - え！！最高すぎます！！これからも頑張ってください！！ (2022年5月29日 10時) (レス) id: 79b285b7ae (このIDを非表示/違反報告)
ちー - ヤバすぎマジで好き！続きまってます！ (2022年5月23日 23時) (レス) @page20 id: 260906d624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年5月15日 10時
