蝶屋敷�� ページ45
「では！失礼します！」
不意にアオイが立ち上がって、ずんずん部屋を出て行ってしまった。
「アオイさん！私たちも！」
あっという間に廊下を渡っていったアオイに、なほが声を掛ける。
「失礼します！」
声をそろえて、三人もそう言う。
アオイの後を追うように、パタパタと部屋を出ていった。
「あらあら〜。」
少女たちの様子を、クスクスと笑いながらカナエが見ている。
「アオイもAちゃんのことが大好きなのよ。」
フワフワとした声でそう告げるカナエに、Aは目をパチクリさせる。
「いいわ。Aちゃんも、そのうち気付けるわよ。」
『・・・あの子たちにも、髪飾りを渡してるんだね。』
話題を変えて、Aはカナエに問うた。
蝶屋敷のトレードマークというか・・・。
姉妹の印を少女たちに渡す気遣いと優しさが、カナエらしいと思った。
「あの子たちも、私の妹だから。」
そうだ。
と、カナエが言う。
思いついた、というように、手のひらを打ち合わせた。
「もう一人ね、妹がいるの。」
カナヲ〜と言いながら、縁側の方に声を掛ける。
「カナヲ」というのが、その子の名前なのだろうか。
「カナヲ、おいで〜。」
庭の方を回って、一人の女の子が部屋に入ってきた。
桃色の着物を着た、かわいらしい子だ。
(これは将来、美人になるなぁ・・・)
戦いになるかもしれない。
そう、Aは思った。
この子を巡って、争いが起こらないとも限らないのではないだろうか。
カナエとしのぶもだが、蝶屋敷には器量の良い女の子が多い。
何故だろう。
主に似たものが集まった来るのだろうか。
こんなに可愛い女の子ばかりで、防犯は大丈夫なのか・・・。
そう考えて、思い出す。
カナエは柱だし、しのぶも最近は随分成長してきている。
防犯どころか、下弦の鬼がやって来ても大丈夫だろう。
とはいえ、柱の屋敷に鬼がやってきたら鬼舞辻無残にも伝わってしまう。
それはそれで一大事なのだが。
『可愛いねぇ。』
畳の上にちょこんと腰をおろしたカナヲに、Aは目線を合わせて話しかける。
カナヲは、じっとAの瞳を見つめ返した。
『こんにちは・・・？』
戸惑うAに、カナエが説明する。
「カナヲはね、自分で選択することが出来ないの。」
虐待を受けていたらしくてね。
カナエにカナヲとの出会いを説明されて、納得した。
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ひかる(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます！励みになります。 (2022年6月2日 18時) (
レス) id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ooooさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年6月2日 18時) (レス) @page36 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
oooo - え！！最高すぎます！！これからも頑張ってください！！ (2022年5月29日 10時) (レス) id: 79b285b7ae (このIDを非表示/違反報告)
ちー - ヤバすぎマジで好き！続きまってます！ (2022年5月23日 23時) (レス) @page20 id: 260906d624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年5月15日 10時
