温泉�� ページ33
「音の呼吸 壱の型 轟」
『水の舞 拾の型 生生流転』
二人の木刀がぶつかり合って、天元の二本の木刀の方にひびが入った。
それを合図に、二人は攻撃を止める。
「くっそ・・・そりゃ、刃毀れなんかしねぇよ。どんだけ正確に振ってんだ。」
ひびの入った木刀を下げて、天元は言った。
「天元様ー！お疲れ様です！」
そんな天元に、須磨が声を上げて走り寄ってきた。
Aも天元に近づき、まきをと雛鶴も遅れて歩いてくる。
「お疲れ様です、Aさん。」
両手に水筒と手ぬぐいを持った雛鶴は、そう言ってAに水筒を手渡した。
『ありがとう。雛鶴ちゃん。』
「二人とも、凄かったよ。」
これまで黙っていたまきをが、開口一番にそう言った。
『ありがとう、まきをちゃん！』
まきをが話してくれた嬉しさで、Aの声が弾む。
照れくさそうに頭をかいたまきをを見て、天元が言った。
「んじゃあ次は、A対まきを、雛鶴、須磨な。」
『うぇっ？』
戸惑うAとは対照的に、くのいちたちは楽しそうに準備運動をし始めた。
考えてみれば、三人も浴衣からいつもの服に着替えて出てきていた。
「まず最初はまきをが正面で戦って、私と須磨が後ろから援護ね。そのあと・・・」
Aに聞かれないよう、ヒソヒソと作戦会議まで始めている。
剣士でないこの三人との手合わせは得るものも多いだろうし、まぁ、やるか。
そう決めてしまえばAは早い。
水筒を木の根元に置くと、くるりと三人の方を向いて構えた。
『いざ、行くよ！』
掛け声と共にAが素早く踏み込み、三人のくのいちの中では、真ん中にいたまきをが飛び出した。
『蟲の舞 蜻蛉の型 複眼六角』
二本の短い刀で攻撃を繰り出すまきをには、高速の突きで対応する。
『花の舞 弐の型 御影梅』
二手に別れてAを囲んだ須磨と雛鶴が投げてくるくないは花の舞で捌いた。
『蟲の舞 蜈蚣の型 百足蛇腹・改』
最後に、蟲の舞で勝負をつける。
「蟲の舞 蜈蚣の型」のジグザグの踏み込みは、本来、敵を翻弄するためのもの。
そして一点集中の突きを放つのだが、Aはジグザグに跳び、着地する度に刀を振った。
そしてほぼ同時に、くのいち三人の首筋に刀をつける。
「す、すごいもんだ・・・。」
しばらくの沈黙のあと、まきをが口を開いた。
「怒涛の展開でした。技もみんな速くて。」
「本当です。こんなに色んな技を使う人初めて見ましたよ。」
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ひかる(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます！励みになります。 (2022年6月2日 18時) (
レス) id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ooooさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年6月2日 18時) (レス) @page36 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
oooo - え！！最高すぎます！！これからも頑張ってください！！ (2022年5月29日 10時) (レス) id: 79b285b7ae (このIDを非表示/違反報告)
ちー - ヤバすぎマジで好き！続きまってます！ (2022年5月23日 23時) (レス) @page20 id: 260906d624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年5月15日 10時
