花柱�� ページ21
『すみません悲鳴嶋さん。今日はカナエのお屋敷に行くんです。』
「そうか。お館様も仲良くせよと仰っていた。良いことだな。」
ジャッジャッ
と数珠を擦り合わせて、行冥は二人を見送ってくれた。
『カナエのお屋敷の名前は花屋敷にするの？』
「ううん。蝶屋敷にしようと思って。しのぶと一緒に負傷した隊士の治療所にしようと考えているの。」
『そっか〜。』
Aは感心した。
これまでしのぶが治療に当たるときはあの二人の家に隊士を運んでいたので、多くの隊士を治せた訳ではない。
隠たちの手におえず、どうしてもしのぶの力が必要な時だけしのぶが呼ばれていたのだ。
これから蝶屋敷が整えられることになれば、鬼殺隊の死亡率が減るのではないだろうか。
『でもしのぶちゃんが運営の中核に関わることになるんだったら、納得だな。蝶って、二人のトレードマークだもんね。』
苗字、「胡蝶」だし。
そう、Aは付け加える。
「そう言ってくれれば、しのぶもきっと喜ぶわ。」
毒はまだ未完成なのだと言っていたしのぶは、今どうしているのだろう。
怒りを露にするしのぶの表情を、Aは思い浮かべた。
「蟲の呼吸」は完成に近づいているのだろうか。
しのぶが強くなって、自分に怒りを向けないようになればいい・・・。
そこまで考えて、Aは頭を振った。
蝶屋敷に行って、本人に会えばわかることだ。
「あら。」
しばらく歩いていると、カナエが声を上げた。
カナエの視線を辿れば、屋敷の門の前で手を振っているしのぶが見えた。
どうやら、ここが蝶屋敷になるようだ。
賑やかな場所になるだろう。
村田たち同期がここにいることを想像して、Aはクスリと笑った。
負傷した隊士たちだって、カナエの優しさにやられて荒ぶることもないだろう。
「姉さーん。」
「しのぶ〜。」
しのぶに手を振り返して、カナエは駆けだした。
慌てて追いかけながら、Aはカナエを観察する。
蝶を模した羽織が、本当によく似合うものだ。
美しいうえに、どこまでも軽やかに駆けていく。
『ふふっ』
カナエとこれから同僚になるのだ。
そのことに、Aは心を躍らせた。
とっとっと走り、Aはもカナエに追いつく。
『しのぶちゃん！』
カナエと共に走ってくるAを見つけて、しのぶは驚いたような顔をした。
「Aさん。いらしたんですか。姉さん、言ってくれればお菓子でも用意しておいたのに。」
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ひかる(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます！励みになります。 (2022年6月2日 18時) (
レス) id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ooooさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年6月2日 18時) (レス) @page36 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
oooo - え！！最高すぎます！！これからも頑張ってください！！ (2022年5月29日 10時) (レス) id: 79b285b7ae (このIDを非表示/違反報告)
ちー - ヤバすぎマジで好き！続きまってます！ (2022年5月23日 23時) (レス) @page20 id: 260906d624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年5月15日 10時
