胡蝶しのぶ�� ページ16
カナエの次はしのぶだ。
「花の呼吸 伍の型 徒の芍薬」
比較的細い木刀を持って、しのぶは斬りかかってくる。
速い。
小柄な体格を生かし、速さで勝負を仕掛けているようだ。
見たところ、鬼の頸を斬れるほどの筋力はない。
鍛えればいいというものではない。
この身長では鍛えても鬼の頸を斬るのに必要な筋力がつかないのだ。
だから毒を使うのか。
Aは納得した。
しかし、鬼に効く毒を開発できるという能力は、彼女の低身長という不利を補い得るものかもしれない。
鬼殺に直接役に立つ、というだけのものではないのだから。
小鳥のように間合いに飛び込んでくるしのぶの刀を、Aが跳ね上げた。
カンッ
と乾いた音が響く。
がら空きになった胴に打ち込みはしない。
これはあくまで稽古なのだ。
Aがむやみに勝とうとするものではない。
「蟲の呼吸 蜂牙の舞 真靡き」
(！？)
姉と同じ呼吸を使うのではなかったのか。
見たことのない呼吸に、Aは驚く。
しのぶの動きは、「花の呼吸」を使ったときの倍は速かった。
『獣の舞 拾の型 円転旋牙』
咄嗟に振り向きざまの一撃で、Aの刀が弧を描く。
しのぶの持っていた木刀が真ん中から折れた。
『あ、ごめん。』
思わず舞を使ってしまった。
「すごいじゃない、しのぶ！Aさんに舞を使わせるなんて！」
庭の稽古を部屋の中から見守っていたカナエが立ち上がって喜ぶ。
自分の仇を討ってくれたというような喜びように、Aは頭をかく。
『あはは、つい・・・。』
当のしのぶは折れた木刀を持って、まだ呆然としているようだった。
「全然・・・無駄がなかった。私の突きが見切られた？あそこまで近づいたのに・・・」
どうやら、Aが一撃でしのぶの技を無力化したことに驚いているようだ。
カナエに訊くと、いつもしのぶの突きは「御影梅」で全体をカバーすることで捌いているのだという。
「それでも間合いに入られてしまうことがあるのよ〜。」
とカナエは嬉しいような悔しいような顔をして言った。
なるほど体が小さくても、しのぶは優れた剣士であるらしい。
『次は、真菰ちゃんとカナエちゃんで手合わせしててくれないかな？しのぶちゃんとちょっと話してみたいんだ。』
「わかった。」
真菰はAの考えを察して頷いた。
しのぶの戦い方について本人に聞いてみたい。
その気持ちが伝わったようだ。
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ひかる(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます！励みになります。 (2022年6月2日 18時) (
レス) id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ooooさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年6月2日 18時) (レス) @page36 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
oooo - え！！最高すぎます！！これからも頑張ってください！！ (2022年5月29日 10時) (レス) id: 79b285b7ae (このIDを非表示/違反報告)
ちー - ヤバすぎマジで好き！続きまってます！ (2022年5月23日 23時) (レス) @page20 id: 260906d624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2022年5月15日 10時
