理不尽にも程がある ページ6
『あの、なんか用?』
恐る恐る私が聞くと、まだ小さい中原少年はちいっ!と大きく舌打ちをした。
ひぇぇ、私なんかしたかよ。怖い。
また私をギロリと睨みつけて、彼は言った。
「其処から降りてこい、俺を見下ろしてんじゃ無ぇ」
えっえっどういうこと?ただ見下ろされるのが嫌だからドラム缶を蹴って降りろって言ってんのこの子。
理不尽すぎだな?
どうするのが正解なんだ、この場合?
色々と考えてるうちにもっと強く乗っているドラム缶を蹴られる。さっきよりも大きな音がして、グラグラと揺れた。
「さっさと降りろ!」
うわ、めっちゃ短気だよこの子怖い。
そんなことを考えているとバランスを崩して、私はドラム缶から落ちた。
あ、やべ。
そう思った瞬間風が私の体を浮かすように巻き上がった。その風のおかげで、私はしっかりと着地することが出来る。
…異能を信じてたとはいえ、ちょっと怖かった。
そうだ、肝心の中原少年は?
彼のいた方に目を向けると、そこにはぽかんとしたあほ面を晒している未来の五大幹部様がいた。
『大丈夫か?』
声をかけると中原少年ははっとしてから、私のことをじーっと見つめてきた。こちらを見つめる瞳が心做しか輝いているような気がする。
どうしてだろうと首を傾げていると、いきなり蹴りが飛んできた。
いきなり飛んできた蹴りに対応出来るわけがなく、私は吹っ飛ばされる。
『っ、「風立ちぬ」!』
急いで異能力を発動させて体が衝突しないように風の抵抗をつける。私を支えるように吹いた風のおかげで、強打は免れた。
何のつもりだと私を蹴ったチビ帽子置きの顔を見ると、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべている。
…嫌な予感。
「へぇ、御前面白いじゃねぇか」
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夜幸(プロフ) - 霊夢どうふさん» 応援ありがとうございます!不定期ですが、そろそろ芥川さん出るので楽しみにしていてください!! (2019年1月28日 17時) (レス) id: 37f394c4d7 (このIDを非表示/違反報告)
霊夢どうふ - やつがれメイン…神か、神なのか好きですぅぅぅぅこれからも更新、頑張って下さい! (2019年1月27日 11時) (レス) id: 8add41b466 (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - 1つのベッドに2人で寝るだと………?いい事じゃないか(鼻血)←あとホラー映画見てた時は中也くんは横にいて腕に抱きついてきたとか…w(ニヤニヤ) (2019年1月20日 4時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
夜幸(プロフ) - みこさん» 私の小説が原作を知るきっかけとなってとても嬉しいです。原作はこれ以上面白いのでぜひとも読んでみてください!芥川さんは頑張ってこの話中に出したいです…もう少しお待ち下さい! (2019年1月16日 23時) (レス) id: 37f394c4d7 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - 文ストの知識皆無でしたが、この作品を読んで興味が湧きました。そして芥川さんがカッコいいですなんやこれ (2019年1月15日 0時) (レス) id: 3d83174dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜幸 | 作成日時:2018年12月28日 16時