腐女子がチート転生したので推しのモンペになりたいと思います。【男主？】

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私が母の死から立ち直ったのは母が死んだ日から三日後の事だった。林太郎さんは意外なことにそれまでずっと私のことを待っていてくれた。墓も一緒に作ってくれたということにも驚いた。
もっと「泣くのは合理的ではないよ」とか言うかと思ってたのに。

『林太郎さん、御心配お掛けしました』
「いいさ、道具のメンテナンスも持ち主の仕事だからね」

前言撤回。やっぱりあんまり優しくない。

『これから、どうなさるんですか』
「この街に滞在する理由も無くなった。
もう貧民街は飽きたし、次はもう少し都会の方に行ってみようか」

生まれ育ったこの街を離れる。
貧民街という、見方によっては私は不幸だったかもしれないけどこの街で私は沢山の出会いを貰った。
中也にお別れを言いたかったけど、母の看病をし始めてから伝えようとしたあの日から、中也はあの場所に来ていない。

中也はもう私と会えないと思っているかもしれない。私が死んだと思っているかもしれない。
けれど。私はこれから起こることを知っている。

私と中也が同い年なのが幸いだった。

きっと三年もすれば再び会える。

だから、きっと大丈夫。

林太郎さんの道具である私はきっとポートマフィアになるだろう。最推しにも会えるし、中也とも再会できるしある意味一石二鳥だ。

「辰雄くん、行くよ」

この一歩を踏み出した瞬間、きっともう私は元の世界には戻れない。そんな気がする。

とっくに覚悟はできていると思ってたのに、少し手が震えていた。

『今行きます、林太郎さん』

私は林太郎さんの元へ駆け出した。

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