私の母 ページ12
この世界の私の母はとても優しくて、綺麗な人だ。
私のことを何時も一番に考えてくれていたし、怪我をして帰った時も理由を聞かずに手当てをしてくれた。
『理由、聞かないの?』
そう私が言ったら
「貴方はちゃんと理由がなきゃこんなことしないってわかってるから」
柔らかく微笑みながら、傷を撫でて母は言った。
私と母が住んでいるのは貧民街で、薬は疎か食べ物も滅多に手に入らない。
でも、私は毎日三食はないが十分に食べることができた。
理由は母が自分の体を使ってお金を稼いでいたからだ。
母に一度どうやってお金を稼いでいるか聞いたことがある。
母は困ったように笑って、こう言ったのだ。
「季節を売る仕事をしているの」
まだ意味が分からない無知な子供だったら、何も分からないだろう。けど、中身は前世の記憶を持つ私だった。
その言葉が表す意味なんて、分からないはずがない。
そんなことをしていた母は何時病気をうつされても可笑しくなかった。
倒れたのが、たまたま今日だっただけの話。
母は頬を紅潮させて、息を荒く吐いている。
小さい私の体を使い、何とか母を寝かせた後私は走り出した。
何時も優しかった母を、病魔から救うために。
死んでほしくない。
貴方にまだ、何も返せていないから。
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夜幸(プロフ) - 霊夢どうふさん» 応援ありがとうございます!不定期ですが、そろそろ芥川さん出るので楽しみにしていてください!! (2019年1月28日 17時) (レス) id: 37f394c4d7 (このIDを非表示/違反報告)
霊夢どうふ - やつがれメイン…神か、神なのか好きですぅぅぅぅこれからも更新、頑張って下さい! (2019年1月27日 11時) (レス) id: 8add41b466 (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - 1つのベッドに2人で寝るだと………?いい事じゃないか(鼻血)←あとホラー映画見てた時は中也くんは横にいて腕に抱きついてきたとか…w(ニヤニヤ) (2019年1月20日 4時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
夜幸(プロフ) - みこさん» 私の小説が原作を知るきっかけとなってとても嬉しいです。原作はこれ以上面白いのでぜひとも読んでみてください!芥川さんは頑張ってこの話中に出したいです…もう少しお待ち下さい! (2019年1月16日 23時) (レス) id: 37f394c4d7 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - 文ストの知識皆無でしたが、この作品を読んで興味が湧きました。そして芥川さんがカッコいいですなんやこれ (2019年1月15日 0時) (レス) id: 3d83174dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜幸 | 作成日時:2018年12月28日 16時