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「ひどいよクルル。くっつくとは言え、ちぎれる瞬間は痛いんだよ、腕」
「このまま首もちぎろうか？」
首はもっと痛いだろうな。
｢……それは困るなぁ。よし、負けを認めよう。これ以上この件には踏みこまない｣
｢…｣
｢本当だ。第一、君に逆らってここで生きていけるとは僕も思ってないしね。それに、A様が何も言っていないということはそういうことだ｣
クルルは暫く探るようにフェリドを見ていたが、踏みつけていた足をゆっくり退ける。
ああ、彼女は見誤った…クルルはフェリドの駆け引きを深く理解出来ていない。それは取るべき行動ではなかった。殺してしまえば良かったのだ。それで全て終わったのに。
しかしそれは言葉にしない。だって私は彼女の共犯者ではないから。
｢…いいだろう。だがもしまたこの件を詮索したら…」
｢大丈夫。僕だって命は惜しいからね｣
そこでクルルとフェリドの交渉が成立した。
フェリドが詮索しない代わりに、クルルは多少の権力を譲渡したのだ。
だが…飄々と言ってのけるフェリドは、本当に引き下がるつもりなどないはずだ。この場に優が居ないのだから。
｢早く消えろ｣
｢はいはーい。でもまた来るよクルル。僕は君が大好きだからねぇ。…あ！もちろんA様も大好きですよ〜」
『へぇ、ありがとう』
切り落とされた腕を拾って、それをヒラヒラと振るフェリドは私の方も見てニッコリと笑ってから、あっさり姿を消した。
｢ちっ………人間の状態は？｣
盛大に舌打ちして、フェリドが去った方を忌々しそうに見ていたクルルは私に聞く。
『呼吸が止まりかけてる』
このままでは死ぬ。吸血鬼のような回復力のない人間は、腕を落とされ胸を貫かれ、そして大量の血を失ってしまえば生きる術がない。
｢……おい人間。まだ生きたいか？私ならおまえに命をやれるぞ。永遠の命を」
暗にクルルはミカに吸血鬼になるかと尋ねる。もう息も絶え絶えなミカが助かるにはクルルの血を飲むしかない。
だがミカは、
｢………要らない…｣
｢…ははは、そうか。命は要らないか｣
…拒絶した。
クルルは少し瞳を見開いてから笑うと、唇を牙で傷付ける。それを見て私は瞳を伏せた。
｢だが、おまえに選択肢はない。私の血を飲み、おまえは…人間をやめろ｣
唇から流れ出た血をミカに口付けて…与える。それが彼の身体に入り込むと、
｢うわぁぁぁぁぁぁあ!!!｣
悲鳴に近い絶叫を上げて…ミカは人間であることを、やめた。
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レイ(プロフ) - 露亞さん» 私の妄想満載の小説を素晴らしいだなんて…！ありがとうございます！のんびり更新していきますので、また良かったら読んでみてください！ (2020年6月15日 18時) (
レス) id: e8675e311e (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ウルド様ァァァあ”あ”ウルド様！！！素晴らしい小説ですね！！！更新頑張ってください！！！！！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年6月6日 21時
