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『知りたければ、探ればいいじゃない。そういうのは君たち得意でしょう？』
そう意味ありげに、楽しげに瞳を細めて再び背中を向けた。それを中将は険しい表情で見送る。
「A！優ちゃんを…！」
『撤退だ。フェリド、ミカを連れて行って』
「はーい」
「は、離せ！僕は優ちゃんを…っ」
「はいうるさーい。黙れよ、ガキ。もう充分はしゃいだだろ」
首根っこを掴まれて悔しそうにするミカさんはこちらを見る。Aさんはそんな彼の頭をポンと撫でると、一度こちらを一瞥してからこの場から姿を消した。
彼女の姿が見えなくなったところで、私は漸く深い安堵の溜め息を吐いた。
彼女には見逃された…気紛れに。喜ぶべきなのか悔しがるべきなのか。でも優さんが無事だった。それは本当に良かったと思う。
腕の中にいる優さんを抱く力を、強くする。
ー相変わらずあの子は甘いなぁ。
ふと四鎌童子が呟く。
彼はAさんのことを知っているようだ。
ーああ。勿論知っている。あの子は可愛くて愛おしい私のセラフだからね。
その言葉に眉根を寄せた。
此奴はいつも飄々として心を動かさないが、彼女を見た瞬間、彼の心が動いたのを感じていたから。
「どういう関係ですか？」
ーあ。知りたい？なら、心の壁を下ろしてくれよ。
「ならいいです」
ー優の知り合いかもしれないのに？
それに少しだけ心が騒ついたがすぐに平常心を取り戻せば、鬼が困ったように笑った。
ーもう。そうやってすぐに心を閉ざすのをやめてくれないかなぁ。
「閉じなければ貴方は私を乗っ取るでしょう？」
ーいや。そんなことしないよ。今はまだ、その時じゃないからね。
「信じませんよ」
ーそうか。あの子は優と深い関係があるのになぁ。
どういうことだろうか。確かに優さんは吸血鬼の都市に居たから会っていた可能性はあるが、彼の言葉だとそれ以上の何かがあるような気がする。
ー気になるでしょう？知りたいでしょう？だって君は優に惹かれてるから。だから、何かの実験を受けているかもしれない優の情報が、些細なことでもいいから欲しいはずだ。
「あは。童貞坊やに興味はありませんよ」
ーはは。嘘つきだなぁ。
「もう黙ってください。しーちゃん」
鎖で彼を拘束する。しーちゃんは不敵な笑みを浮かべながら、抵抗せずに沈んだ。
「…優さん」
彼はいったい何をされているのだろう。私は、優さんに何が出来るだろうか。
腕の中で眠る彼を見下ろして、小さく息を吐いた。
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レイ(プロフ) - 露亞さん» 私の妄想満載の小説を素晴らしいだなんて…！ありがとうございます！のんびり更新していきますので、また良かったら読んでみてください！ (2020年6月15日 18時) (
レス) id: e8675e311e (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ウルド様ァァァあ”あ”ウルド様！！！素晴らしい小説ですね！！！更新頑張ってください！！！！！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年6月6日 21時
