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『さて。さてさて。…いつまでそこでコソコソしているつもりなのかな？』
くるりと振り返って、そちらを見る。
すると、建物の影から一人の男が現れた。その男の姿に瞳を細める。
黒い髪に黒い瞳の知り合いなど居ないが…だが、その気配は。空気は。香りは。顔は。よく知ったものだった。
「やぁ、A」
『やぁ。ずいぶん姿が変わったんだね。…リーグ』
男ーリーグ・スタフォード第二位始祖は笑うと、ゆっくりとした足取りでこちらに歩み寄ってくる。
「一発で分かるだなんて。流石僕のお姉様だね」
『顔の作りは一緒だし、香りだって同じじゃない』
「うーん。でもすぐに分かるかなぁ。だって千年以上会ってなかったでしょう？」
そう、彼は千年前から姿を消していた。何かの目的があって。その目的は、私は知らないけれど。
『それ以上の時間一緒だったし』
「それもそうだね」
と、そこでリーグが私の目の前で立ち止まるので彼を見上げる。
相変わらず何を考えているのかよく分からない瞳。変わらないなぁ。
『で？今現れたってことはそれなりに進んでるってこと？それとも行き詰まった？』
そう問えば、リーグはやはり微笑んだ。話すつもりはないらしい。なら何故、現れたのか。
「Aが日本に来ていると聞いてね。会いに来たんだよ」
『へぇ』
私の手を取り、引いて歩くリーグの表情からは何も読み取れない。果たしてその言葉の真意とは何か。
「疑ってるかい？」
『むしろ疑わない方がおかしくない？』
「まぁ確かにね」
そう言って私を抱き上げ、ビルの上へとひとっ飛びし脚の間に私を座らせながら座り込む。
投げ出している足をプラプラとバタつかせて遊んでいると、リーグは私の髪を指に絡めて弄りだした。
「…ウルドは元気？」
『元気だよ。でも兄様もいなくなって、君もいなくなったから大変みたいだけどね。どいつもこいつも自分勝手な奴等だってさ』
「はは。で、君がトップ？」
『私も自分勝手な奴さ。それに、私がトップだったら日本に来てないよ』
「やっぱり？」
分かりきったことを聞いてこなくていいのに。
『それで？』
「うん？」
『君、面白いモノを作ったんだね』
ピクリと僅かに反応したリーグを振り返る。
黒い髪に黒い目。全く色彩が違う。似合ってはいるが、昔の方がいいな。
『君の匂いが染み付いた一族に出会ったよ。…アレで兄様に対抗する気なのかな？』
「…」
リーグが無言で私を見下ろすのを見返す。
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レイ(プロフ) - 露亞さん» 私の妄想満載の小説を素晴らしいだなんて…！ありがとうございます！のんびり更新していきますので、また良かったら読んでみてください！ (2020年6月15日 18時) (
レス) id: e8675e311e (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ウルド様ァァァあ”あ”ウルド様！！！素晴らしい小説ですね！！！更新頑張ってください！！！！！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年6月6日 21時
