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『ありがとう。君達のその気持ちだけ、受け取っておくよ』
そう言って微笑むと、鎖を引き千切る。するとその持ち主の青年は驚いたような表情を浮かべた。
『この程度の武器で私の動きを奪えるとでも？…私も見くびられたものだなぁ』
と、青年の背後から囁く。
慌てて振り向こうとする彼の動きを奪い、首筋に牙を穿つとジュルルッと勢いよく血を啜る。
うーん、一般的には美味しいんだろうけど、私の好みじゃない。
「秀作！！」
「秀作から離れろ吸血鬼！！」
悲鳴染みた声を上げる彼等に微笑んで距離を取ると、唇についた彼の血をペロリと舐め取った。すぐに彼の元へ駆け寄る人間達。
『御馳走様。悪くない血だったよ』
「貴様っ」
『さて。君がこの隊の隊長かな？じゃあ提案だ。今すぐこの場から消えてくれる？』
「なにを、」
泣き黒子のある青年が怪訝な表情を浮かべる。
『私は君達と戦う気がない。別にお腹も空いていない。無意味なことはしない主義なんだよねぇ』
「…私達におまえを見逃せと」
そう言われて、おかしそうに笑う。
『あはぁ。逆だよ。私が君達を見逃すんだ。…分かるでしょう？君達じゃ私には勝てないって』
と言えば屈辱的な表情を浮かべて私を睨み付ける。
彼も分かっているのだ。自分達と私との間にある力の差を。だから彼等は私に向かってくるべきではない。私が見逃すと言っている間に消えた方が賢い。
『勝てない戦いはするものじゃないでしょう？それにその子達がいるなら、君達お得意の陣形も使えないしね』
「っ」
『人を率いる隊長なら、人を生かす為、次の勝利の為に賢い選択をしなくちゃいけないよ…？』
ぐ、と唇を噛み締める彼。
『何も恥じることはない。君は未来の為に賢い選択をするだけだ』
周りの子達は隊長君を見つめる。そしてやがて、彼は決意したように重く息を吐いた。
「…撤退だ」
それに微笑む。
『賢い選択が出来る子で良かったよ。…また、どこかで会おうね』
「…おまえに促されたから撤退するんじゃない。私は、この隊と子供達を生かす為に撤退するんだ」
『うん、そうだね』
「次は必ずおまえを殺す」
『うん、楽しみにしているよ』
そこで、子供達に視線を移すと一言告げる。
『頑張って生きるんだよ』
「っありがとうお姉さん！」
「私、お姉さんのこと忘れないから！」
「撤退だ！」
子供達を引き連れて撤退していく彼等を見送ると、小さく息を吐いた。
そして静かに口を開く。
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レイ(プロフ) - 露亞さん» 私の妄想満載の小説を素晴らしいだなんて…！ありがとうございます！のんびり更新していきますので、また良かったら読んでみてください！ (2020年6月15日 18時) (
レス) id: e8675e311e (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ウルド様ァァァあ”あ”ウルド様！！！素晴らしい小説ですね！！！更新頑張ってください！！！！！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年6月6日 21時
