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会議が終わり、長い廊下をミカと歩いていると、
「A」
『ん？』
くい、と服の裾を引っ張られる。振り返れば、澄んだ青空のような蒼穹の瞳が私を見据えていた。
「君も次の戦争に出るの？」
『うん。行くよ。…まぁでも、後方で見てるだけだと思うけどね』
「…君の、伴侶に言われた？」
ミカにはウルドのことを教えてある。それを伝えた当初は大層驚かれ、疑われたが、数年前に行った東欧任務で私たちの姿を見て納得はしてもらった。
『はは。分かる？そうなんだよ。ウルドが前に出過ぎるなってさ』
「君の伴侶は過保護だ」
『それは思う。ウルドは本当に私が誰かに傷付けられることが嫌いだからね。私を傷付けていいのは彼だけなんだって』
「…」
『ふふ。何千年も生きるとね、感覚が麻痺してしまうんだよ』
普通、なんてものはもう忘れてしまった。いや、正確に言うと人間で言うところの普通だ。
今ではウルドが与えるものが普通だと思っている。それが当たり前だと。
『長い間たった一人に執着するとね、狂気が宿るようになるんだよ』
「Aもそうなの？」
『持ってるよ』
と、簡単に頷く。
『ウルドみたいに分かりやすくないんだ。私は心の奥底にそれを押し込めてるから』
「押し込めてる？どうして？君の伴侶はあからさまに態度に出しているのに」
『…吸血鬼はね。愛し方も惨いものになる可能性があるんだよ』
そう、困ったように笑みを浮かべる私に怪訝な表情をするミカ。
『ウルドと私の愛し方は似ているようで全く違うんだ』
「どういう意味？」
『私のそれは、ウルドみたいに綺麗じゃないからさ』
ウルドに会う度に私の中でドス黒い感情が湧き上がる。
離れたのは自分なのに、彼を欲する。欲して、そして…ウルドを喰らい尽くしてしまいたくなるのだ。
そう、それは…血の一滴すら残さないほどに彼の全てを＿＿＿
『どうしても、私の方が力が強い。だから私が本気でウルドを襲えば、彼は私には勝てない』
もしも。もしもその欲望に抗えずにウルドを襲ってしまったら？実力差から彼は私には勝てない。そうなれば、最悪の結末が待っているかもしれないのだ。
それは、駄目だ。それだけは。ウルドを喪ってしまいたくない。
以前、私はウルド程重くないと言っていたが、それは嘘だ。本当は、比較出来ない程に私の方が重い。
だから一度彼から離れたのだが…それは逆効果だったらしい。四年前に再会してからその欲望は更に強くなってしまった。
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レイ(プロフ) - 露亞さん» 私の妄想満載の小説を素晴らしいだなんて…！ありがとうございます！のんびり更新していきますので、また良かったら読んでみてください！ (2020年6月15日 18時) (
レス) id: e8675e311e (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ウルド様ァァァあ”あ”ウルド様！！！素晴らしい小説ですね！！！更新頑張ってください！！！！！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年6月6日 21時
