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「今日、始祖の血を継ぐ貴族の方々に集まってもらったのは他でもない」
そして、あの日から四年が経った。
「脅威ーーーそれは東京以北において暴れている、《日本帝鬼軍》という名の人間どもの組織だ」
サングィネムにある講堂で、貴族会議で決まった方針が示されていた。それを私は一般席から眺める。クルルに壇上に来るかと言われたが、もちろん断った。あんな目立つ所に行くわけない。
ふと、クルルが微笑みを浮かべて講堂の入り口を見たのでそちらを見れば、百夜ミカエラが立っていた。
あの日から私は彼に知識を、そして技術を叩き込んだ。頭も要領も良い彼はするするとそれらを吸収していった。
世話をしたお陰か、たぶん他の吸血鬼に比べて心も許してくれていると思う。
彼は私に気付くと、隣に座ってきた。
『やぁ、ミカ』
「A…フェリドがうざい」
『放っておきなよ。いつものことでしょ』
にやにやとこちらを見るフェリドを鬱陶しげに一瞥したミカに苦笑する。いちいち反応したら彼の思う壺だからね。
「奴らは我らの同胞を殺し、領土を拡大し、欲望のままに禁忌の呪法に手を出す。情報では再び《終わりの天使》の実験までしているという」
面倒だ。よりによってソレに手を出すだなんてさ。だから八年前に世界は崩壊したというのに。懲りないよなぁ。
「このまま奴らを野放しにしておけば８年前と同じ、大厄災が起きることは間違いない。よって我らは…」
そこでクルルが立ち上がる。
「よって我らは、《日本帝鬼軍》を殲滅することに決めた。戦争だ！」
そう。前回の貴族会議で、人間組織を壊滅させることが決定したのだ。
「世界の安定を守るため。我らは欲深い人間どもを皆殺しにする！」
その言葉に、吸血鬼達が歓声を上げる。
皆、やる気満々だねぇ。そんなに人間達のやることが目についてたのか。
ぼんやりとその光景を見ていると、ふとクルルがこちらを見た。
…やな予感。
「そして我らにはA・セオフィエル第二位始祖もついている。彼女がいれば心強いだろう！」
はぁ、と溜め息を吐いて立ち上がり口を開く。
『欲深い人間達には身の程を知ってもらう。皆にはその手伝いをお願いするよ』
そう言って再び座る。
大勢の人前で話すの嫌いなんだけどなぁ。震えちゃうよ。
「優ちゃん…」
隣に座っているミカがポツリと呟く。
『見つかるといいね、ミカ』
「…ああ」
どこか不安そうなミカの頭を無言で、ぽんぽんと撫でた。
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レイ(プロフ) - 露亞さん» 私の妄想満載の小説を素晴らしいだなんて…！ありがとうございます！のんびり更新していきますので、また良かったら読んでみてください！ (2020年6月15日 18時) (
レス) id: e8675e311e (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ウルド様ァァァあ”あ”ウルド様！！！素晴らしい小説ですね！！！更新頑張ってください！！！！！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年6月6日 21時
