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『いやぁ、檜風呂いいよね』
明け方。
まぁ…色々やった後、ウルドと一緒にお風呂に入っていた。香りの良い檜風呂で二人で寛ぐ。
「木の浴槽というのが珍しいな」
『だよね。自然と共生していた日本らしい発想だよね』
ウルドが物珍しそうに浴槽を触りながら言うのにそう返してから、ぼう…と窓から覗く夜明け前の空を見上げる。曖昧な空間。曖昧な色彩。それに、なんとなく手を伸ばしてみた。
すると、
「何を考えてる？」
その手を後ろから掴まれ、指を絡められる。
『んー。特には何も考えてなかったけど』
もう片方の手をお腹に回されて引き寄せられると、ウルドの方を向く。
『夜明け前の空は曖昧だなぁって思ったくらいかな』
「そうか」
うん。
と言う言葉と同時に抱き締められる。腰に回っている掌が、緩やかな手つきでそこを撫でてくる。
酷く優しいそれに、温かいお湯も相まって微睡むような気分になった。
すり、とウルドの頭に擦り寄ると、彼は私の耳朶を甘噛みするので私も甘噛みしてみる。
『…ねぇ、ウルド。お腹空いたなぁ』
甘えるような声音でそう耳元で言えば、ウルドが再び私の背中を撫でるので身体を少し離すと、ぱしゃん、と湯船のお湯が撥ねた。
「そう乞われるのは久し振りだな」
『嫌？』
「そう思うか？」
『んー。…思わないかな』
悪戯げに笑い、ウルドの首筋に指を滑らす。そこに牙を穿てば甘美で極上の血が溢れるだろう。思わずゴクリと喉を鳴らす。
吸血鬼として生まれ変わった当初は血なんて飲みたくないと駄々を捏ねた時期もあったな。それに兄様が、仕方がないなぁと言って彼の血を飲ませてくれたっけ。
それが今やこれだ。自分から血を欲するようになった。
「ずいぶんと血を欲している」
『うん、そうかもしれない』
「そうか。…そういうAも好きだ」
『はは。本当？』
「ああ。その瞳に欲が宿り、私を求める姿は美しくて妖艶だな」
瞳を細めながら私の唇を撫でると、そこをこじ開け指を差し込んできた。そのまま私の牙で指を傷付ければ、そこから血が溢れ出す。それを舐め取るように彼の指に舌を這わしていく。
くちゅり、と浴室に音が鳴り響く。浴室だから、その音はよく響き、匂いもすぐに充満した。
傷付けた指はすぐに癒え、するとウルドはまた牙に触れて血を流す。
それを何度か繰り返してからウルドは指を抜く。
『ご馳走様』
「ああ。満足か？」
それにニコリと笑い彼に抱き付いた。
『大満足だよ』
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レイ(プロフ) - 露亞さん» 私の妄想満載の小説を素晴らしいだなんて…！ありがとうございます！のんびり更新していきますので、また良かったら読んでみてください！ (2020年6月15日 18時) (
レス) id: e8675e311e (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ウルド様ァァァあ”あ”ウルド様！！！素晴らしい小説ですね！！！更新頑張ってください！！！！！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年6月6日 21時
