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「…リーグも、日本へ行くと言っていたな」
リーグ。リーグ・スタフォード第二位始祖。
ウルドの友であり兄弟だ。ウルドと彼は同時期に吸血鬼になっており、ウルドにとってリーグは他の誰よりも特別な存在だろう。
そんな彼も千年程前から姿を消している。だがウルドや私には日本へ行くと溢していたから、彼もどこかにいるのだろう。
『そうだね』
「…あいつも、真祖を追うと言っていた」
『うん』
「…無駄なことだ。真祖は私たちを気に留めない。振り返らないのに」
兄様は誰にも興味がない。誰も信じない。誰も頼らない。誰も必要としない。だって全て自分でやり遂げてしまうから。それはよく知っている。
『リーグの真意は分からないけれど…まぁ彼も日本にいることはほぼ確定してる。そして兄様やアシェラ達もね。だから私はここに来たんだ』
ウルドが私を見下ろす。その頬に手を添えて、指の腹で撫でる。
『彼等が何を成そうとしているのか、私はそれを知りたい』
「知ってどうする？」
『…内容によっては拘束するつもりだよ』
「おまえ一人でか？合理的じゃないな」
『確たる証拠を掴めばウルドにも知らせるつもりだった。でもまだそれは何もない』
私が知っているのはほんの僅かなことのみ。でもきっとこれから色々なことが起こるだろう。そうしたら、たぶん世界中の上位始祖たちが日本に来る事態となる。
『ウルドにはもしもの時に備えておいてほしい』
「もしもとはなんだ」
『…例えば、私が消えてしまうとか』
そう言った瞬間、ウルドに床に押し付けられた。
私を見下ろす彼の瞳はギラギラとギラついている。怖い表情のまま、彼はゆっくりと口を開いた。
「消えるとはどういう意味だ」
『死ぬって意味じゃないよ。…ただ、吸血鬼から背を向けなければならない場合もあり得るということ』
「…そんなことを、許すと思っているのか」
『そんなことをしたらきっと、ウルドが捕まえに来るんだろうなぁとは思ってるけれど』
つい、と瞳を細めてそれを肯定したウルドに小さく笑う。
『ウルドが追い掛けて来てくれると分かってるから、私はフラフラしてしまうんだろうね』
「なら永遠に鳥籠の中に閉じ込めてしまおうか」
『…ウルドが側にいてくれるなら、それでも良いとは思ってるんだよ。でも、いまはまだその時じゃない』
だからいまは、捕まってあげられないのだ。
『もう少しだけ待って』
そうしたら君の望む場所に、私は永遠に居続けるから。
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レイ(プロフ) - 露亞さん» 私の妄想満載の小説を素晴らしいだなんて…！ありがとうございます！のんびり更新していきますので、また良かったら読んでみてください！ (2020年6月15日 18時) (
レス) id: e8675e311e (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ウルド様ァァァあ”あ”ウルド様！！！素晴らしい小説ですね！！！更新頑張ってください！！！！！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年6月6日 21時
