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散々喰らい尽くした後、泥に沈むようにして眠りに就いたAをシーツで包み、抱き締めながら彼女の寝顔を眺めているとピクリと目蓋が動いた。
『んんぅ…』
「起きたか？」
小さく呻いて目蓋を上げるAの顔を覗き込めば、ぼんやりとした眼差しで私をその深紅の瞳に映す。
自分の赤とは違う美しくも妖しい紅に映っているのが己だけだと思うと優越感で満たされるのを感じた。
Aは、ぱちぱちと瞬きしてからゆっくり口を開く。
『ああ…意識飛ばしたのか…おはよう、ウルド』
「おはよう。…と言っても、もう昼だがな」
『昼』
と、少し驚いたような声で言う彼女の頬を撫でれば、まるで猫のように瞳を細めてそれを享受する姿が愛らしくて、こちらも少し瞳を細めた。
『それにしても…凄い喰べられたなぁ。身体中に血が滲んだ跡がある』
「おまえがいいって言ったんだろ？」
『言ったけど』
そう言うAの身体にはもう私が噛んだ痕はないが僅かに血の跡が見て取れる。首も、肩も、鎖骨も、腕も、手首も、腹も、太腿にも。身体中から彼女の血を吸ったのだ。Aの、魅惑的で官能的で、他のどの血よりも美味い彼女の血を。
『…ウルド、』
そうすれば、当然Aには血が足りなくなる。私の名を呼んだ彼女の瞳には血への渇望がありありと浮かんでいた。
それに小さな笑みを浮かべるとAの身体を己に跨がせる。首筋に指先を這わし、そこを撫でたAは口元から牙を覗かせてゆっくりと近付いてくる。そしてやがて、ぶつりと牙が穿たれた。
「…っ、」
ジュルルルッ、と血を啜る音が響く。それと同時に己を襲う異常な快楽と背徳感に息を呑めば、Aが僅かに此方を窺うような空気を出したのでそのまま飲めと頭を撫でれば、彼女が更に深く牙を穿ったのを感じた。
「はっ…」
快楽に耐えるように思わず息を吐く。本来、同胞である吸血鬼の血は美味しくないと言われているがAは私の血が好みらしく、飲み出したら止まらなくなるらしい。その気持ちは分かる。私も彼女の血に対してそうだから。
やがて満足したのか、Aは牙を抜いてそれを穿った場所から溢れた血を舐め取ると、そこに吸い付いて跡を残した。
『ありがとう、ウルド』
唇に付いた私の血をぺろりと舌で拭うと、触れるだけのキスをしてきた。それは血の味がしたが、自分の血などまるで美味くないと感じる。
「満足したか？」
『うん』
と、可愛らしい笑みを浮かべて頷いたA。
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レイ(プロフ) - 露亞さん» 私の妄想満載の小説を素晴らしいだなんて…！ありがとうございます！のんびり更新していきますので、また良かったら読んでみてください！ (2020年6月15日 18時) (
レス) id: e8675e311e (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ウルド様ァァァあ”あ”ウルド様！！！素晴らしい小説ですね！！！更新頑張ってください！！！！！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年6月6日 21時
