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『大丈夫。ウルドの元にちゃんと戻ってくるから』
「…ああ」
結局のところ、私にとってはウルドが世界で一番大事なのだ。
彼がいたから私は生きてこれたと言ってもいい。
彼がいなかったら生きる理由もなくなって、吸血鬼として生きることに絶望して兄様について行って、鬼になっていたかもしれない。
そういう未来もあったのかもしれない。
でも、ウルドが私を望んだから…欲したから。だから私はここにいる。生きていられる。生きようと思えるのだ。
…まさか、私が恋をするなんて吸血鬼になってからは思ってもなかったのだけれど。ましてや、誰かと添い遂げているなんて。
「A」
『うん？』
間近にある同じ色の瞳。
同じ赤色だけれど、私の赤はどちらかと言えば深紅。ウルドの真紅の瞳のほうがずっと透き通っていて綺麗だと私は思う。でもウルドは私の紅が好きだと言う。
「愛してる」
『うん。私も愛してるよ』
それは嘘偽りのない感情。
彼が私にくれたもの。大切にしたいと思うもの。そして、永遠に持ち続けるものだ。
ウルドは私の言葉に瞳をゆるりと細めると、頬に張り付いた私の青みがかった黒髪をどかし、頬を指で撫でて言葉を続ける。
「ああ…だからもし、帰ってこなければ…」
『…』
ウルドの瞳にちらちらと見え隠れしていた、その狂気が姿を現す。
「地の果てまで追い掛けて、追い詰めて…そのか細い足首に枷を付けて檻の中に閉じ込めて、その身体におまえが誰のものなのかを教え付ける。私以外の誰にも会わせてやらないし、話させない。その瞳に映すのは私だけにする。私しか考えさせないようにする。泣いて乞うても出してなどやらない。…愛するA…おまえは永遠に…永劫に、私のものだ」
普通、そんなことを言われたら恐ろしいとか嫌だとか感じてしまうのだろうが、生憎私は普通ではない。
寧ろそこまでして求めてくれているのだと思い安心して、嬉しいと思ってしまうのだ。それが欲しいと思うのだ。
ふ…と笑い、私は言う。
『そうだね。私はずっと、愛するウルドと一緒だよ』
その底無しの純粋で…でもどこか狂った彼の愛情に包まれながら、愛されながら、私はこの世界でウルドと共に生きるのだ。
＿＿＿…たとえ、この世界が崩壊したとしても。
そう考えて、噛み付くように塞がれた唇の感触を感じながら目蓋を閉じた。
ーーーそして、数十年後。
世界は激変した。
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レイ(プロフ) - 露亞さん» 私の妄想満載の小説を素晴らしいだなんて…！ありがとうございます！のんびり更新していきますので、また良かったら読んでみてください！ (2020年6月15日 18時) (
レス) id: e8675e311e (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ウルド様ァァァあ”あ”ウルド様！！！素晴らしい小説ですね！！！更新頑張ってください！！！！！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年6月6日 21時
