親戚からすると私は許せない人間らしい3【ヒロアカ】 (ページ2)

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98話目ページ2

コツコツとローファーと床が擦れる音が廊下に反響する

口の中でガリッと音が鳴って甘い味が口の中に広がっていく

『チッ、、またか』

本日5度目になる行為に嫌気が刺して眉間に皺がよる

タバコ代わりのつもりだったがあまり意味を成さないなと思いながらガリガリと残りの飴玉を噛み砕いて次の飴玉を口の中に放り込んだ

『どうしたもんか』

小さな独り言を階段を降りながら呟けば返ってくるはずのない返事が返ってきた

相澤「困りごとか、煙影」

『手持ちの飴玉がもう少しで無くなるんですよ』

一番会いたくない人に聞かれたなと思いながら振り帰れば怪訝そうな目をした相澤先生が立っていた

相澤「珍しいな飴なんて」

『そうですか？意外と好きですよ、飴玉』

いつもの顔を貼り付けて相澤先生と話をする

相澤「これから何処に行く」

『家に帰ります』

嫌に的を得た様な質問をしてくるなと思っていると相澤先生が階段を降りてくる

相澤「ならなんでそんな顔をしてる」

『そんなってどんな顔です？』

いつもと同じ顔を貼り付けている筈だ。何も疑う余地は無いはずなんだ

カツカツと音を立てて階段を降りてくる相澤先生から目を離せない

相澤「正確には顔と言うよりも目だ」

『目？』

手を伸ばせば掴める距離で相澤先生は足を止めた

相澤「ああ。なんの感情も映していないつもりなんだろうが、今はそうじゃない」

『っ！？』

ザワザワと感情が騒ぎだす

思わず半歩後ろに下がって相澤先生と距離を取ろうとしてもここは階段と階段の合間の踊り場だ。距離を取ろうとしても相手の合間である事は変わらない

どう逃げ出すか経路を頭の片隅で考えようとした時、聞くはずのない答えが聞こえた

相澤「これから煙影家会長に会いにいくんじゃないのか」

どういうことだ

『なっ、んで』

口の中で飴玉が欠ける音がする
　

相澤「目が殺気だってるんだよ」

なんでバレてる。聞かれてたのか？いや、だったらあの場でもっと聞かれたはずだ。なら、どうしてバレた？会長の意識が戻ったことには箝口令が出されている筈だ

ぐるぐると回る思考に感情を引っ張られそうになりながらも相澤先生から距離を取る

『どこで知ったんですか』

考えるのは後だいつもの顔を貼り付けろ。これ以上ボロは出せない

「私がお伝えしました」

嫌に聞き覚えのある声が鼓膜を揺らした