18-3 ページ7
「慎太郎はジェシーのことも良く知ってるし。男の子サイドの話も聞きたかったし」
返って来た答えは十二分に納得がいくものだった。だけど『男の子サイドの話も聞きたかった』という事は多かれ少なかれチアキも慎太郎君を男の子として見てるという事で、そういう相手と二人きりだったのに昨日のアレはないんじゃないだろうか。
「それは解るけど。あんまり良くなかったんじゃない?男の子と二人だけであんなお酒飲むの、その、なんかの間違いだって起る可能性もあった訳だし」
あくまでもチアキを心配しているつもりで私は苦言を呈した。だって、万が一慎太郎君とチアキの間に何かあったらそれこそジェシー君との関係を続けるのは難しいんじゃないだろうか。だけど実際のことろは、慎太郎君が他の女の子と、特に慎太郎君が想いを寄せるチアキと、二人という状況が嫌だという気持ちの方が強かったかもしれない。
「慎太郎はそういうことしないよ」
いやにきっぱりとチアキが答える。
「そんなのわかんないじゃん。慎太郎君だって、男の子だよ」
「だけど今までもそんな素振りなかったし。そりゃ、こんなに酔いつぶれたのは初めてだったけど」
「……そんなによく慎太郎君と二人で会ってるんだ?」
「よくって程じゃないけど、ジェシーが得体の知らない集まりに顔出してて暇な時とかに時々話相手になってもらってるっていうか」
当たり前みたいにチアキが答える。薄々そんな気はしていたけれど、やはり私が知らなかっただけで慎太郎君とチアキは、慎太郎君が私にチアキの事を相談しなくなってからも会っていたらしいい。慎太郎君はなんで昔みたいに私にチアキのことを話さなくなったんだろう?その答えは解らないけれど、チアキを思う慎太郎君の気持ちを思えば心が痛んだ。
「それ、慎太郎君に甘えすぎじゃない?」
だけどそんなの建て前で、慎太郎君に同情する以上にきっと、私自身の嫉妬心の方が大きかった。だから、こんなに責めるような口調になった。そんな私の口調にチアキが目を見開く。
「A?」
「っ、あ、ごめん!私関係ないのに、強く言い過ぎた」
恥ずかしさからかあっと顔を赤くしてチアキから顔を逸らす。
「もしかしてA、慎太郎のこと好きなの?」
744人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夕色(プロフ) - あずみさん» 長いのに一気読みありがとうございます……!コメント嬉しいです。今後も慎太郎の格好良い所書けるように頑張りますねー! (2月12日 20時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
あずみ(プロフ) - 一気読みしてしまいました…!慎太郎くんかっこよくて最高です!笑 めっちゃきゅんきゅんドキドキしてます!!^^ これからも更新楽しみに応援させていただきますね!! (2月11日 23時) (レス) @page39 id: fffeedeac5 (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございますー!樹先輩については書きたいような、ずっと本当の所は解らないままでいて欲しいような……って感じです! (11月30日 22時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - 慎太郎サイドだ!主人公ちゃんを応援したいが、樹先輩も気になる。 (11月29日 6時) (レス) @page19 id: 9bdd0af86e (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» なんかなかなか煮え切らない展開が続きますがきょも共々生温かい目で見守っていただけると嬉しいです。頑張れ慎太郎!って思いながら書いてます😌。 (11月23日 23時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夕色 | 作成日時:2023年10月17日 12時