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「……っ、ごめ!大丈夫!?」

一瞬だったような、長かったような、そんな間の後に慎太郎君が背筋を伸ばし身体を私から離した。途端に淋しさのようなものが身体を覆う。

「大丈夫。慎太郎君の方こそ大丈夫?」

見上げれば目と目が合った。慎太郎君も動揺しているのか眉が八の字になっている。

「うん、もう大丈夫。一瞬ふらついちゃっただけ」

私より先に慎太郎君が顔を逸らしてそう言った。やっぱり体調は芳しくないようだ。

「早めにまた横になった方がいいよ」
「あー、そうだよね。うん」

これ以上立たせているのも申し訳ないと思い提案したのに慎太郎君の返事はどこか歯切れが悪かった。

「……慎太郎、君?」
「……」

名前を呼べば真っ直ぐに私の瞳を見つめるから私は動けなくなってしまった。初めて会った頃は苦手だったその眼差しから今は目を逸らせない。

「もうちょっと一緒にいたい」
「…………え?」

——今のは聞き間違い?

「っ、や、ごめん!なし!今のなし!忘れて!どうかしてた」

だけど、どうやら今目の前にいる慎太郎君の慌てぶりを見ると聞き間違いではなかったみたいで。

「!?!?」

つられて私も混乱の渦に巻き込まれる。

「わたし、も」

考えが纏まらないままに、図々しいかもしれないけれど、慎太郎君と一緒にいたかったからそう答えていた。

「えっ?」

そんな私の返事に今度は慎太郎君の方が信じられないって顔をするから、私はしどろもどろになりながら言葉を並べる。

「や、心配だから。少しくらいだったら手伝えることあるかもだし。迷惑じゃなければだけど」
「迷惑なわけないじゃん!」

急に大きくなった慎太郎君の声に驚くと共にほっともして。

「そっか」

安堵の笑みを浮かべた私に慎太郎君が先程とは打って変わって遠慮がちに口を開いた。

「だから、その、上がってって」

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夕色(プロフ) - あずみさん» 長いのに一気読みありがとうございます……!コメント嬉しいです。今後も慎太郎の格好良い所書けるように頑張りますねー! (2月12日 20時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
あずみ(プロフ) - 一気読みしてしまいました…!慎太郎くんかっこよくて最高です!笑 めっちゃきゅんきゅんドキドキしてます!!^^ これからも更新楽しみに応援させていただきますね!! (2月11日 23時) (レス) @page39 id: fffeedeac5 (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございますー!樹先輩については書きたいような、ずっと本当の所は解らないままでいて欲しいような……って感じです! (11月30日 22時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - 慎太郎サイドだ!主人公ちゃんを応援したいが、樹先輩も気になる。 (11月29日 6時) (レス) @page19 id: 9bdd0af86e (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» なんかなかなか煮え切らない展開が続きますがきょも共々生温かい目で見守っていただけると嬉しいです。頑張れ慎太郎!って思いながら書いてます😌。 (11月23日 23時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕色 | 作成日時:2023年10月17日 12時

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